スピッツ大学

入学試験無し!授業料無料!ただし学歴には書けません!

156時限目:ほうき星

【ほうき星】

 

■アルバム『インディゴ地平線』に収録されている曲です。個人的ランキングでは、195曲中157位でした。

 

この曲は、作詞は草野さんですが、作曲はリーダー(田村さん)になっています。まぁ確かに、そう言われると、曲の感じが違いますよね。何となく、ベースが目立って聴こえる気がします、自分の担当なのだからでしょうか。

 


インディゴ地平線』には他にも、1曲目の【花泥棒】が三輪さんの作曲となっています。書籍「旅の途中」によると、アルバム『ハチミツ』のレコーディングの際に、プロデューサーの笹路さん(スピッツのブレイク期~黄金期までを支えていた人)が、草野さん以外のメンバーに対しても、曲を作るように促したそうなのです。結局は、『ハチミツ』には草野さんの曲しか入りませんでしたが、この試みは『インディゴ地平線』でも続き、こちらでは先述の通り、【花泥棒】と【ほうき星】が収録になりました。

 

三輪さん作曲の曲は、初期に何曲かアルバムにも収録されていますが(【月に帰る】、【鈴虫を飼う】など)、リーダーは初めての収録曲ですかね。ちなみに、崎山さん作曲は、未だ収録されていません。作ってはいたんでしょうけどね。

 


■ということで、曲の個人的な解釈に移ります。

 

まず、タイトルの”ほうき星”という言葉ですが、これは”流れ星”や”彗星”と同じ意味合いで使われる言葉です。スピッツの曲には、【流れ星】というタイトルがありますし、”星”や”星の名前”がつくタイトルだと、他にも、【俺の赤い星】【スピカ】【スターゲイザー】【惑星のかけら】などがあります。

 

それぞれの曲で使われている、星の意味合いは違うでしょうけど、全体的に何となく、”儚いもの”の例えとして使われている、と感じること多いです。まぁ元来、星は人間に比べるとずっと大きくて、とてつもなく長生きではあるのでね、”星の存在が儚い”というより、”それと比べて人間は儚い”という意味合いですかねぇ。

 

そこから派生して、”人の生き死に”や”死生観”なども感じることがありますけどね、【流れ星】とかは特に感じました。

 


■じゃあ、【ほうき星】は、どういう曲なんでしょうか。

 

何となく、曲の雰囲気が読みとれそうなのが、最初のAメロです。こんな歌詞で始まっていきます。

 


錆びついた扉が はじめて開くよ
僕らは ほうき星 汚れた秋空
ゆらゆら さまよう 魂を巻き込む
祈りを受けとめて流れに逆らって

 

この辺を読んで僕は、”魂が人の肉体に入っていく”様子、または、”魂が成仏していく”様子を思い浮かべました。

 

”錆びついた扉”という言葉は、例えば、魂が存在している”あの世”的な場所があるとして、”あの世”と”この世”をつなぐ扉という印象を受けました。その扉が開いて、魂がこの世に流れ込んできた、という感じでしょうか。そして、その魂を、この歌では、”ほうき星”と例えているのかな、と思っています。

 

暗闇に魂が放たれて、ゆらゆらとさまよっている感じが、”ほうき星”に見えるということでしょうか。

 


■前者(魂in)の解釈だと、放たれた魂は、自分が宿るべき肉体を探してさまよっている、ということになります。

 

ところで、その人が”その人”と成る、つまり、その人に魂や心といったものが入り込むのは、どの時点なんでしょうかね…受精した瞬間でしょうか?母体の中で成長していき、人の形が見えてきた時でしょうか?それとも、まさにこの世に生まれてきた瞬間でしょうか?

 

まぁとにかく、そういう瞬間に向けて、自分が宿る肉体を探して、暗闇をふらふらとさまよっている、という解釈です。

 


後者(魂out)の解釈だと、前者とは逆、役割を終えた肉体から魂が抜け出して、あの世へと帰っていく、つまり成仏していくところだと考えられます。

 

僕は、何となく、こっちの解釈がしっくりくるんですけどね。”祈りを受け止めて流れに逆らって”の”流れ”という言葉…自然に考えれば、人生における流れの”方向”とは、生まれて、時が経って年を取っていって、老いて死んでいく、というものだと思います。(生→死という流れ)

 

その流れに逆らう、ってことですからね、”生→死”という方向の逆と考えて、”死→生”という方向ということで、成仏はもちろん、もっとその先…輪廻転生という死生観も感じました。

 


■何か、宗教的(?)というか哲学的(?)というか、妙な記事になってしましましたね。僕の方も、何かよくわかんなくなってきそうです、本末転倒!

 

まぁ、魂などと難しい話は抜きにしても、上述の後者の解釈だと、”自ら命を絶った”という解釈もありうるかもしれません。

 


今 彗星 はかない闇の心に そっと火をつける
弾丸 桃缶 みんな抱えて 宙を駆け下りる

 

サビはこんな感じですが、”宙を駆け下りる”ってのが、飛び降り自殺を示唆しているようにも読めるかもしれませんね。

 


あと、謎フレーズの”弾丸 桃缶”についてです。他の部分には、”哀愁 街中”というフレーズも出てきます。両方とも韻を踏んでいますが、どちらとも意味は謎です。

 

書籍「スピッツ」によると、インタビュアーさんにそこら辺を突っ込まれた上で、草野さんが、「あと、ヘンな言葉とかも今回ちょっとあったし、あの”ほうき星”とか」「あの、”アジアの純真”みたいな感じで、《ペキン ベルリン》みたいな(笑)」と答えています。”アジアの純真”とか、懐かしいですよね、若い人は知ってるんですかね、笑。

 

ということで、まぁ、言葉自体にはあまり意味は無い、ということですね。アルバム『インディゴ地平線』は、草野さん以外が作った曲が入っていたり、特に【花泥棒】なんかはそうですけど、割と遊んでいる部分がところどころにあるんですよね。

特講:100万人のスピッツ大学学生へ

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スピッツ大学学生の諸君、キャラを忘れた頃に、学長のitukamitanijiでございます。本日は、お集まりいただき、ありがとうございます。

 

日々、諸君らはお互いに切磋琢磨しながら、スピッツ大学にて”スピッツ学”を学んでいることと思います。そんな諸君らの活躍には、本当に感心させられてばかりでございます。今日のスピッツ大学が在るのは、そんな皆様のおかげであると、まず言っておかなければなりません。

 


■さて。

 

そのような諸君らの努力が、ある一つの成果を生み出したことを、ここで発表しておきたいと思い、本日こうやって集まっていただいた次第でございます、学長のitukamitanijiでございます!

 

本日(2017年2月4日)、恐らく朝方、スピッツ大学訪問者数が100万人を突破いたしました!その瞬間を撮ろうと、朝方に待機していたのですが、残念ながら、冒頭のようなものしか撮ることしかできませんでした。

 


■このスピッツ大学で、はじめて講義を開いた(つまり、記事を書いた…)のが、2015年7月25日のことでした。そこから、今日までの日数は(最近は便利ですね、そういう日数を計算してくれるサイトがあるんですね)計算してみると、560日になりました。全体では、平均しておよそ1700人/日の訪問者があった、ということになるわけです。

 

そして現在は、平均しておよそ2000~2500人/日の訪問者があるようで、改めて、学生諸君らのスピッツ学に対する関心の高さと、知的探究心の深さには、本当に頭が下がる思いでございます。

 

そして誰より私自身が、ここスピッツ大学にて講義を行うようになってから(記事を書くようになってから…)、より一層スピッツの曲について、あれこれ深く考えるようになりました。正直、そんなに熱心に聴いてなかったな、という曲もあったりして、そういう曲の新たな一面を発見する、ということも、何よりの喜びでありました。

 

 

■重ね重ねになりますが、諸君らにお礼を言っておきたいのです。何度もここを訪れてくれた方、一度だけ訪れてくれた方、スピッツが大好きな方、スピッツなんてほとんど知らない方…境遇や理由なんて、どうでもいいじゃないですか。

 

100万人のスピッツ大学学生へ…ということにさせてください。一人一人にお礼を言っておきます。本当にありがとう、大きな励みになっています。そして、諸君らに負けないように、私も日々、スピッツ学を学んでいきたいと改めて思います、学長のitukamitanijiです!

 

 

ということで、何か特別なことをやる、ということではございませんが、訪問者100万人突破を、ここに報告させていただきました。

 

(代わりと言っては何ですが、先日もうすでに載せちゃいましたが、【スワン】のカバー動画を貼っておきます。日にちもそんなに離れてないし、これを100万人記念として、誤魔化しておきます!笑)

 

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155時限目:ベビーフェイス

【ベビーフェイス】

 

■シングル『空も飛べるはず』のカップリング曲であり、アルバム『空の飛び方』にも収録されています。

 

アルバム『空の飛び方』に収録されている方は、Album Versionであり、wikiによると、「ホーンセクションを加えたアレンジで録り直したアルバムバージョンであり、テンポも少し速めてある」とのことですが、僕自身は、カップリングバージョンの方は聴いたことはなく、Album Versionの方を聴いてきました。

 

個人的ランキング、195曲中63位でした。ほう…そうですか、結構上位に入ったなという印象です。もちろん、好きな曲ではありますけどね。

 


■さて、早速曲の解釈・紹介に入りたいと思います。

 

この曲は確か、草野さんが「奥さんが亡くなった友人のために作った歌」だったと思うのですが、どうですかね?友人本人が亡くなったのではなくて、その奥さんだったと思うんですけど…もしかしたら、友人の恋人だったかも?家族の誰かだったかも?何せ、情報を探したんですけど、ちょっと見当たらなくて、でも、結構知られてる話だったと記憶してるんですが…。

 

まぁとにかく、「友人の身内が亡くなったことを書いた歌」としておきましょうか。そういう状況になってしまった友人を、草野さんが励ますため、慰めるため、作った曲だということです。

 


しかしながら、曲調はすごく明るくて、パレードでもしているかのように、ファンファーレも鳴っていて、派手な曲になっています。タイトルも【ベビーフェイス】ということで、言い方は悪いかもしれないですが、とてもじゃないけど、「友人の身内の死」を歌っているような感じには聴こえないです。

 

ただ、歌詞を読んでいくと、なるほど、確かにそういう曲なのかなと思えてきます。

 


■例えば、それが一番表れている部分だと、

 


こわがらないで 歩き出せそっと
星になったあいつも 空から見てる

 

ここの”星になったあいつ”という言葉は、”星になる”という表現は普通、死を表わすことが多いですので、ここの部分はやはり故人を表しているのでしょうね。

 

それでも、”こわがらないで 歩き出せそっと”と、友人が大切な人の死を乗り越えられるように、慰めているのを読み取ることができます。”空から見てる”という言葉も…うーん、何かうまく言えないですけどね、胸がぎゅっとなります。

 



華やかなパレードが 遠くなる日には
ありのままの世界に 包まれるだろう

 

ここも一見すると、”華やかな…”というのが浮いていますよね。ただし、上述の歌の解釈から、ここの”パレード”は、”葬式”を表しているのかな、と解釈しています。

 

となると、葬式が終って”ありのままの世界”が訪れる、とは何でしょうか。この”ありのまま”っていう言葉が、また何か残酷ですよね。それは、”大切な人が居なくなった世界”であり、それでもそんなことお構いなしに”変わらず流れていく世界”ということでもありますからね。

 


■あとは、この曲のタイトル”ベビーフェイス”という言葉に関してです。曲の中では、

 


Bye bye べビーフェイス
涙をふいて 生まれ変わるよ Yeah…
Bye bye べビーフェイス
今日から明日へ かすかな炎を絶やさないでいて

 

という風に出てきています。”ベビーフェイス”とは、英語では”Babyface”と書きます。意味としては、”童顔”とか”赤ちゃんのようなあどけない顔”というのがありますが…うーん、どちらとしてもしっくりきませんね。まぁ、精神的な意味合いでも使われているのかもしれません。

 

”涙をふいて 生まれ変わるよ”というフレーズは、”生まれ変わる”という言葉は、亡くなった人へ向けた言葉(となると、輪廻転生のような解釈)とも、大切な人を亡くした友人へむけた言葉(となると、大切な人の死を乗り越えるという解釈)とも取ることができると思います。

 


■あとは、前提を崩すようならば、本当に”ベビー(フェイス)”なのかもしれませんね。例えば、「身近な人を亡くした子どもについて歌った歌」という感じです。

 

まだ、”死”の概念すらはっきりと理解していないような子どもが、身近な人の”死”に触れるわけです、お父さんやお母さん、おじいさんおばあさんかもしれません。何か分からないけど、周りの人が悲しんでいて、子ども心にそれを少しずつ理解していくわけですよね。

 

死んだ人にはもう会えない、いつかは人は死んでしまうものだ、それならばいつか自分も…という具合にです。そういう、死生観を少しずつ育てながら、子どもから大人へと成長していくわけです。肉体的にはもちろん、精神的に、”ベビーフェイス”にさよならをしてくわけです。

新年演奏会 スピッツカバー#6:スワン

だいぶ遅い2017年到来記念

&(もうすぐ)スピッツ大学100万PV記念

 

 

今年の干支が”酉(トリ)”ということで、酉にちなんで、【スワン】を歌わせていただきました。詩を読んだ限りでは、明るい歌ではないかもしれないですけど(むしろ、別れの歌?)、酉に関係する好きな曲だったので、この曲を選びました。

 

皆様の一年が、酉が空を羽ばたくように、自由で楽しい年でありますように。または、何か新しい挑戦していく方にとっては、”ひよこ”の精神で、限りない空を目指していく、そんな飛躍の一年でありますように、お祈りしています。

 

今年は、スピッツ30周年。全国ツアーも発表されましたね。…僕は多分行きませんが、スピッツにとっても記念すべき1年のはじまりですね!

 

youtu.be

154時限目:ヘチマの花

【ヘチマの花】

 

■アルバム『空の飛び方』に収録されている曲です。個人的ランキング、195曲中170位でした。印象には残る曲ではありますが、無意識にランキングをつけると、こんなものでしょうか…。

 

『空の飛び方』の収録曲では、【ヘチマの花】はバラード枠ですね。ゆったりとした曲調が特徴です。

 

 

ちなみに、この曲には草野さんのボーカルに合わせて、女性ボーカルの声も聴こえてきます。wikiによると、女性ボーカルとして参加している方は、トランジスターグラマーの寺本りえ子という方だそうです(トランジスターグラマーというのは、寺本りえ子という方が、ソロで使っていた名前だそうです)。

 

この曲だけではなくて、アルバム『惑星のかけら』においても、【僕の天使マリ】【オーバードライブ】【リコシェ号】で、Backing Vocalとして参加していたようです。そしてこの時期、寺本さんは、コーラスとしてスピッツのライヴにも参加していたらしいです。

 


■ということで、早速、この歌の解釈に移ります。

 

まず、タイトルから変わってますよね、【ヘチマの花】ですか。こういう変わったタイトルを見ると、しかもやけに具体的なタイトルなので、何かを象徴しているものだと想像してみたくなります。

 


ずばり大胆に言います、僕はこの”ヘチマ”に、妊婦さんの姿を思い浮かべました、どうでしょうか。ヘチマのずんぐりとした形が、大きくお腹の膨らんだ妊婦さんの体型に見えなくもないですよね?

 

それに、タイトルが、ただ”ヘチマ”ではなくて、【ヘチマの花】ですからね。ヘチマに花が咲いてほしい、ということで、例えば、かわいい子どもが生まれてほしい、という願いが込められているのではないでしょうか。

 

そういう想像を踏まえて、歌詞を少し見ていきます。

 



二人の夢 ヘチマの花 見つめるだけで
悲しいことなど忘れそうになる

 

出だしがこういう感じになっていますが、ここを読むと、何かもうすでにヘチマの花は咲いている、つまり、子どもはもう生まれてきている、とも考えられるかもしれません。生まれてきた子どもを見て、”悲しいことなど忘れそうになる”と、癒されているのかもしれません。

 

まぁ、子どもは生まれて来てなくても、大きくなった妊婦さんのお腹を撫でながら、幸せな気持ちに浸っているのかもしれません。

 



さびしい涙目に移るのは やがてあたたかな愛の花

 

”愛の花”は、おそらく”ヘチマの花”と同義だと思いますが、ここも同じようなことを歌っていると思います。なぜ寂しがっているのかは分かりませんが、やがて花は咲いて、温かい気持ちになれるよ、とそういうことでしょうか。

 



二人の夢 ヘチマの花 かなえて欲しい
飛べない鳥だと 気付かされても

 

”飛べない鳥だと 気付かされても”という表現が、すごく独特ですね。生まれてきた子どもは、もちろん人間の子どもで、地に足つけて生きていくんだと。誰に習うわけでもなく、自分の足でしっかりと歩いて幸せになるんだぞ、という願いがこもっているのでしょうか。

 


■あと、この歌に”ミルク色”というフレーズが出てきていますが、このフレーズは【恋のうた】にも出てきています。多分、”ミルク色”というフレーズが出てくるのは、この2曲だと思いますが、他にもあるでしょうか。何か、印象的な、それでいて引っかかるフレーズです。

 

【恋のうた】では、”ミルク色の道”として、”精子”だとか、これはどこかで見た解釈ですが、”天の川”として、あの世へと昇っていく様子を浮かべました。

 


【ヘチマの花】ではどうでしょうか。”深くミルク色に煙る街を裸足で歩いている”という風に使われていますが、また独特な表現ですね。これは、赤ちゃんのことを言っているのか、それとも、続く歌詞は”いつの時も二人で”となっているので、二人のことを言っているのでしょうか。

 

いずれにしても、温かい優しい雰囲気がイメージできますね。そういう日々を、二人で(赤ちゃんと共に)生きていこう、という感じでしょうか。

 


■まぁ、前提を崩すならば、子どもを想像しなくても、別に二人の幸せを”ヘチマの花”としても成り立ちますけどね。色んな思い出を詰め込んで、少しずつ膨らんでいくヘチマが、やがて”幸せ”の花を咲かせますように願っている、という解釈で十分ですけどね。

 

ちなみに、”ヘチマの花”の花言葉は、「悠々自適」です。この歌にぴったりの言葉ですね!

153時限目:プール

【プール】

 

■アルバム『名前をつけてやる』に収録されている曲です。個人的ランキング195曲中24位でした。スピッツの初期の曲の中でも、本当に大好きな曲のひとつです、本当に素晴らしい曲です。

 

曲のイメージは、何と形容したらよいでしょう、決して明るいわけじゃないんですけど、不思議な感じですよね。白昼夢でも見ているような、幻として消えてしまいそうな、浮遊感のある曲、とでも言っておきましょうか。

 


現在進行中の、スピッツランキング企画(まだまだ絶賛投票受付中!)においても、途中結果で、何と第9位という結果を残しています。これには、本当に意外でしたね、意外と【プール】ファンの方はたくさん居られるようで、とても嬉しかったです。このまま、上位をキープできるか!?

 

それから、去年発売されました、武道館ライヴのDVDにも、【プール】のライヴ映像が収録されていました。これがまた、素晴らしかったですね。これが、ほんとに25年以上も前の曲ですか!って感じですけどね、古い曲を今やっても、本当に絵になります。

 


ということで、あまりこれという情報もないですし、早速どんな歌であるか、歌詞を少しなぞりながら考えてみたいと思います。

 


■まず、出だしが、こんな感じです。

 


君に会えた 夏蜘蛛になった
ねっころがって くるくるにからまってふざけた

 


歌詞に、”蜘蛛(クモ)”が出てきています。スピッツの曲に出てくる蜘蛛は、個人的には、性的な部分も含めて、とにかく怪しい雰囲気の象徴だと思っています。

 

例えば、【スパイダー】とかね、タイトルにもろに蜘蛛が入っていますが、曲の感じもいかにもって感じですけどね。他にも、【夏の魔物】とか、僕はこの歌を、”子どもを中絶する歌”と訳しましたが、そういう不穏な雰囲気の歌の中に出てきます…”ぬれたクモの巣が光ってた 泣いてるみたいに”という具合にです。

 

この【プール】という歌も、それらと同様に、何となく(具体的になんだ、とちゃんと説明はつかないですが)怪しい感じが漂っているような気がします。

 

個人的には、まず”夏蜘蛛”になって”からまってふざけた”わけですからね、これはSEXの描写かなぁと感じました。

 


他にも、性的な描写としては、

 


孤りを忘れた世界に 水しぶきはね上げて
バタ足 大きな姿が泳ぎ出す

 


孤りを忘れた世界に 白い花 降りやまず
でこぼこ野原を 静かに日は照らす

 

などが挙げられると思います。”バタ足”なんかは、いかにもSEX中の描写のような気がしますし、”でこぼこ野原”は、女性の体や女性器を比喩したものでしょうか。それに降ってくる”白い花”ということは、”精液”なども考えられますね。

 


■あとは、こういう歌詞も出てきます。

 


街の隅のドブ川にあった
壊れそうな笹舟に乗って流れた
霧のように かすかに消えながら

 


この辺りからは、少しずつ消え入ってしまいそうな、儚い雰囲気を感じます。最初の部分の解釈ともつながるんですが、(正確には、”僕”などの自称は出てこないですが、)僕が君に出会ったという描写がありますので、自然と恋愛関係をイメージするんですが、どうでしょうか。

 

しかし、全体的に漂う怪しい雰囲気や、消え入ってしまいそうな雰囲気から、一筋縄ではいかない恋愛をどうしてもイメージしてしまいます。

 


■個人的にはまず、”若い恋愛”や”若気の至り”というものをイメージしていました。

 

勝手にストーリーを妄想してしまいますが…季節はもちろん夏ですね、それで若い男女が出会うと。何となく、男女とも、俗世からちょっとかけ離れて生きている感じですかね、孤独とはちょっと違うかもしれないですけど。そういう男女が出会い、互いが互いを拠り所にするように、身体を重ねるわけですよ。

 

それは、若いだけの、未来なんて何にも約束されていない、今にも”壊れそうな笹舟”に過ぎないかもしれないけど、流れに任せるように(というより、それしか方法はなく)愛し合っている、と。

 


そんな風に、お互いの合意の上であれば、まだ救われる余地がありますが、もっと不穏な感じに突き詰めて考えていけば、ストーカー的なものも想像できます。そうすると、【スパイダー】の解釈に近づいていってしまいますが…。

 

”夏蜘蛛”という言葉は、あまりきれいな言葉ではなく、何ていうか、野蛮な感じがしますよね。巣を張って、じっと獲物を待つような、そんな雰囲気です。そういうところから、清楚な女性をストーカーして待ち伏せして、挙句の果てには、無理矢理犯すというような、そんな想像もできます。

 


まぁ、とにかくすごい曲ですよね、【プール】ってタイトルなのに、【プール】っていう言葉なんて一回も出てこずに、でも何となく、【プール】っぽいなって思えちゃうんですもんね。

152時限目:船乗り

【船乗り】

 

■シングル『遥か』のカップリング曲であり、スペシャルアルバム『色色衣』にも収録されています。個人的ランキング、195曲中50位でした。何ていうか、重厚で渋い曲ですよね。名カップリング曲のひとつだと思っています。

 


■【船乗り】という曲の誕生の話を、書籍や「色色衣座談会」などをたどりつつまとめてみます。

 


まず、マイアミショック(バンドの意向とは別に、ベストアルバムが発売になったという出来事)以前、つまり『フェイクファー』『花鳥風月』が発売になった後、スピッツは音作りを試行錯誤していました。具体的には、『フェイクファー』は、書籍の中で「音が暗く、沈んでいるように感じた」「音の迫力もあまりない」などの感想を、メンバー全員がそれぞれ語っていますが、それを解消するためでした。

 

そういうわけで、音作りを試行錯誤していく中で、レコーディングやミックスをアメリカで行う、という試みが成されました。

 

【船乗り】という曲も、その試みで生まれた曲で、どうやらレコーディングは日本で、ミックスをアメリカで行った曲であるらしいです。通常、レコーディングは、まず楽器ごとに分けて録ります…ギター、ベース、ドラム、ボーカルなど。そして、それらを合わせて、一つの音源にすることを、ミックスダウンという風に言うわけです。要は、それらを別々の地で行ったということですね。

 

実際、その試みは功を奏して、メンバーも満足いく出来になったようです。素人耳で聴いても分かりますよね、『フェイクファー』と比べると、一気に音の迫力が増しているところはね。

 


まぁ、そういう試みの最中に、”マイアミショック”が起こりますが、そういう試行錯誤、アメリカでの経験が、後のスピッツの再生、アルバム『ハヤブサ』発売へと繋がっていくわけですね。

 


■そんな、”日本生まれ・アメリカ育ちの曲”、とでも言っておきましょうか、【船乗り】とは、じゃあどういう事を歌っているのか、考えてみます。

 

まぁ、大きなくくりとしては、”俺”と”君”の恋愛関係を歌っている歌だと思うんですけど、個人的に僕はもっと大胆に考えて、”結婚式”の風景を思い浮かべました。まさかの”ウェディングソング説”は、どうですかね?

 

よく、結婚することに対して、”二人の新たな門出”みたいなことが言われますよね。この門出のことを、”船出”と例えているのかな、という印象を受けました。”船乗り”という言葉は、まさに今漕ぎ出そうとしている、二人の船の舵を取る男性の決意を表わした言葉なのではないでしょうか。

 


歌詞をなぞってみると、例えば

 


大事な日忘れないで すぐに終わりがあってもね
並んで怖いほど 胸が高鳴り容赦なく

 

遠いところまで君を連れていく
風に尋いてくれ

 

という部分。”大事な日”とは、まさに、結婚の日(結婚記念日)のことでしょうか。”忘れないで”と言いつつも、”すぐに終わりがあってもね”と言ってしまうのが、草野らしさなんでしょうか。そういう結婚の幸せが、愛の誓いが、いつまでも続くとは限らないけど…ということなんでしょうかね、笑。

 

あとは、”遠いところまで君を連れていく”という言葉ですよね。二人で同じ船に乗って、新しい生活へと船出をするわけですけど、男の方が言ったんでしょうね、「俺についてこい!必ず幸せにするから!」とね。そういう男らしさを感じる言葉でありつつ、ここでもまた、”風に尋いてくれ”と歌っていますね。「いや…でも、未来は分からないけどね…」とでも付け加えているんでしょうか、笑。

 


■他、気になる歌詞を引っ張ってみると…

 

”ネイビーの雲赤い空 渡る鳥も一緒に歌う”…この辺は何でしょうね、カラフルで賑やかな感じで、祝われている感がしますね。

 

”始まりのときめき 本当に俺は生まれていた”…面白いですよね、こういう表現も。結婚を喜び、自分が生きていることを感じている、という感じですか。

 

”幼いフリをして あんな言葉もいいかもね”…これは、結婚の誓いの言葉でしょうか。まだまだ若くて未熟だけど、誓った言葉は嘘じゃない、ってことなんでしょうか。

 

などなど。その気になれば、また色々と読み取ることができますけどね。

 


■まぁ、別に”結婚”に限定しなくても、単純に”デート風景”とかを思い浮かべてみても良いんじゃないですかね。

 

実は僕も、最初のイメージは”デート”だったんですけどね。”胸が高鳴り容赦なく”って、内心はめちゃくちゃドキドキしているんだけど、”遠いところまで君を連れてゆく”と強がって、頑張ってエスコートしようとしている男性の姿を思い浮かべました。

 

そうすると、”船乗り”とは何でしょうか、デートの舵を取るように頑張る、と考えても良いですが、一番単純なのは、池でボートを借りてオールを漕ぐ、という風景でしょうか。色々と、想像はつきませんね!

特講:2016年のスピッツ総復習

リアルタイムで、現在、2016年12月31日でございます。この記事を、12月31日に見る方は、そこまで居ないかもしれませんが。


ということで、今日の記事は、”2016年のスピッツ総復習”と題して、今年(2016年)のスピッツの活動を振り返ってみようかと思います。



■まず、スピッツは、2016年1月1日にいきなり、映像作品「THE GREAT JAMBOREE 2014 “FESTIVARENA”日本武道館」を発表しました。



作品のタイトル通り、スピッツが2014年に日本武道館で行ったライヴの模様を収録した作品です。


1月1日に発売された作品でしたが、僕がこの作品を手に入れたのは、確か3月頃だったと思いますが、色々なことがとりあえず一段落した時だったので、何ていうか、ご褒美的な感じで手に入れた記憶があります。まるで、新しいゲームソフトを買ってもらった少年のように、大事に持って帰ったのです。



もちろん僕は、このライヴを実際に見に行っていないので、この作品でライヴの模様を初めて見ました。本当に、素晴らしいの一言に尽きます。【フェイクファー】とか、自分の中でも特に好きな曲なんですけど、ライヴ映像で見たことがなかったので、本当に嬉しかったのです。


あとは、【プール】とか【夏の魔物】とか、あと、まさかの【晴れの日はプカプカプー】とかね、本当に印象に残る曲がたくさんありました。


(ちなみに、ここでの全曲研究セミナーの記事では、インディーズの曲などは紹介しないつもりでいるんですが、【晴れの日はプカプカプー】の記事は、この作品のおかげで書けそうですね、やったぜ!)


youtu.be



■続いて、2016年4月27日に、41枚目のシングル『みなと』が発売になりました。ちなみに、カップリング曲は【ガラクタ】という曲です。


みなと

みなと


【みなと】を最初に聴いたのは、”NTT東日本のCM”にて、ちょっとだけ流れていた音源でした。僕は西日本に住んでいるのですが、このCMが解禁された当初は、まだあんまり西日本の方には情報が流れてきていませんでした。だから、正確には、最初はネットでCMの動画を見つけて聴いたのです。数秒の短い音源でしたが、それでも、「あぁ、これはいい曲だな!」って分かりましたよね。


そして、シングルが発売になり、フルで聴いても、やっぱり素晴らしかったですよね。近年のシングル曲では、個人的には一番良かったんじゃないかなって思います。



で、このシングルが発売になった頃、スピッツが珍しくミュージックステーションに出演しました。Mステに出演したのは、実に約3年ぶりのことだったのですが、僕も拝見しました。


そこでですね、色々と面白いことが起こるわけですよ。3つ話させてもらいますね。



①トークで、「好きな港の話」という、コアな話をタモリさんと繰り広げたあと、いよいよスピッツの演奏の番が回ってきます。


曲目は、もちろん『みなと』です。印象的なイントロで曲が始まり、そして、草野さんが歌い出します。緊張していたのか、ちょっと震えた声に聴こえました…。


しかし、あれ…何だかおかしい。そわそわして、歌うことを止めてしまう草野さん。何と、草野さんは、歌い出しを間違えてしまっていたのです!具体的に言うと、『みなと』のイントロは、8拍子を4回繰り返して、草野さんのボーカルが入るんですけど、Mステでは、8拍子を2回繰り返した後に歌い出してしまったのです。


やばい!と思って、顔を見合わせる草野さんとテツヤさん。照れ笑いをして、よくよく聴いてみると、「間違えちゃった」という言葉が少し聴こえます。貴重なワンシーンでした。



②歌い出しは間違えたもの、順調に演奏を進めるスピッツ…やがて間奏に差し掛かります。【みなと】には、間奏に印象的な口笛の演奏が入っているんですが、Mステでも、その口笛を聴くことができました。


間奏にさしかかり、画面がパンして、太った男性が画面に映ります。そうか、口笛の演奏はこの人がやるのか…おお、澄んだ口笛の音だなぁ…。



…って、誰やねん、この太っちょは!!?


もうそこからは、スピッツの演奏どころではありません。あの太っちょさんはどこに?どこにいるんだ!?…あー、映った!ってな感じで、もう太っちょさんにしか、目がいかなくなっちゃいました。本当に、インパクトのある太っちょさんでした。


(ちなみに、その太っちょさん…口笛を吹いていた男性の正体は、スカートというバンドのギターボーカルの澤部渡さんだということは、のちに調べて知りました。)



③あと、これはスピッツの演奏とは関係ないですが、Mステのこの回には、BABYMETALも出演していたんですが、BABYMETALのメンバーがしゃべっている時に、草野さんがそのメンバーの隣に座っていました。


その時の草野さんは、メンバーに自分の体が当たらないように配慮してか、体を斜めに(もう片隣のテツヤさんに体をあずけるように)座っていました。


アイドルに対する、草野さんの神対応ということで、これも話題になりましたね。ほほえましいというか、草野さんらしいというか。


youtu.be



■そして、何と言っても、2016年7月27日に、15枚目のアルバム『醒めない』が発売になりました。


醒めない(初回限定盤)(DVD付)

醒めない(初回限定盤)(DVD付)


前作『小さな生き物』より、実におよそ3年ぶりということで、まぁ…スピッツルーティンではあるかな。やっぱり、シングルとか、DVDとかじゃなくて、アルバムって、特別な存在ですよね。


今回のアルバムは、本当に明るいアルバムという印象で、素直に聴けて楽しかったです。



別記事で書いたことをまた書きますが、自分にとってスピッツのアルバムは、何年か毎に自分の歩いていく道に、「ここまでとりあえずお疲れさん」的な、旗を立ててくれるものになりつつありますね。ゲームで言うと、”セーブポイント”を作ってくれる感じかな。とりあえず、どこかで息絶えても、ここまで戻ってくればいいや的な存在になっていると思っています。


次のアルバムまで、また3年(?)かな。また会う日まで。


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■あとは、アルバムの発売を受けて、全国ツアー「SPITZ JAMBOREE TOUR 2016 "醒めない"」が行われました。


僕はそれには行ってませんので、そのあたりの話はできませんが…いつか、映像作品になることを楽しみに待つこととします。



■と、これぐらいですかね、主な活動は。


今年で、スピッツは結成29周年を迎えました…ということは、来年は30周年ですよ、本当にすごいですよね。何かを続けていくということが、こんなに力を生み出すんだということには、今でも勇気をもらい続けています。


30周年は、スピッツにとって、どんな年になるんでしょうか。何か、記念に作品とか発表したりしないかなぁ。



来年は酉年ですね。ヒバリから始まって、ハヤブサになって、今後はどんな鳥に成長していくのでしょうか。今年も、楽しみですね!


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年末演奏会 スピッツカバー#5 : 雪風

冬らしい曲を、ということで、【雪風】を選びました。相変わらず、難しいね。

ブログは書くかもしれませんが、弾き語りは今年最後だと思います。良いお年をー!

 

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151時限目:不死身のビーナス

【不死身のビーナス】

 

■アルバム『空の飛び方』に収録されています。個人的ランキング、195曲中37位でした。『空の飛び方』の曲の中でも、かなり印象に残っています。とにかく、疾走感が気持ちいい曲です。イントロやアウトロのギターがかっこよすぎでしょう!

 


■書籍「スピッツ」などを読んだ限り、『空の飛び方』というアルバムは、スピッツにとって、かなり前向きな想いを込めて作った作品だということがよく分かります。

 

スピッツの中でも、自分たちの活動が安定してきた時期だったので、自分たちの気持ちの面でも勢いがある、アルバムの名前を借りるならば、”飛んでいる”時期だったのでしょう、【不死身のビーナス】にも、それが前面に表れていますよね。

 

アルバムのタイトルも、元々は「飛び方」だったそうですが、字面などを考えて『空の飛び方』になったそうです。インタビュアーさんの言葉を借りるならば、スピッツなりの”飛び方の11の方法”紹介アルバム、といったところでしょうか、笑。

 


■そういう、ノリに乗っている時期の【不死身のビーナス】という曲ですが、例のごとく、wiki(など)の情報を少しまとめておきます。

 


まず、作った当初この曲は、「無敵のビーナス」というタイトルだったそうです。”無敵”と”不死身”では、全然ニュアンスが違いますが、実際に口に出して歌ってみると、”不死身”の方がしっくりとは来るんですよね。

 

あと、この歌の最後の方に、「不死身のビーナス ネズミの街」という歌詞が出てくるんですけど、ここの”ネズミの…”というところを、その時のライヴの開催地の地名にすり替えて歌って、盛り上げています…東京の街とか、広島の街とか、って感じですね、ライヴに参加した人は嬉しいでしょうね。(確か、【けもの道】もそうでしたね。)

 

もうとにかく、当時の勢いをそのまま表しているような、気持ちのいいギターロックという感じでしょうか。ライヴの盛り上げ曲として、今でも人気の高い曲だと思います。

 


■ということで、その【不死身のビーナス】についての解釈を少し考えてみます。

 

全体的に読んだ感じで、まず僕がこの歌でイメージしたのは、”別れることを決意したカップルの、最後の場面”というものでした。

 


書籍「スピッツ」における、この時期(アルバム『空の飛び方』辺り)のインタビューの中で、【不死身のビーナス】や【たまご】などを引き合いに出して、「恋愛を特別なものとして崇拝するんじゃなく、端から見て滑稽なものとして…」というインタビュアーの言葉があって、草野さんは「つまらないけれども、美しすぎるかもしれないっていう」と表現していました。

 

何ていうか、僕もあんまり恋愛を語れるような人間ではないんですけど、恋愛ってみっともない部分ってあると思うんですよ。簡単に、「俺ら、ずっと一緒に居ような」とか「いつか結婚しような」とか言ってしまえたりしてね、大学生のくせに同棲したり、就職なんてしてないのに「結婚しような」とか約束したりね。…でも、それは決して嘘でも何でもないんですよね、本当の心の底からの気持ちだったんですよね、守れるか守れないかは別としてね。

 

この【不死身のビーナス】のカップルにも、そういうのがイメージとして浮かんできます。”子どもじみていて、将来性も無くて、でも、本気の恋愛”みたいな感じです。草野さん曰く、「つまらないけれども、美しすぎるかもしれないっていう」に当てはまるのではないでしょうか。

 


■そして、そういうカップルの別れの場面です。印象に残った歌詞をいくつか抜き出して、場面をイメージしてみます。

 



雨降り朝までもう絶対泣かないで
知らないどこかへ行っちゃうその前に

 

ここの部分は、いかにもって感じですけどね。別れてしまうけど、悲しまないでね、っていう意味に取ることができそうです。

 



さよなら飲みほそう 生ぬるい缶ビールを
あくびが終わる勢いでドアを蹴飛ばす

 

ここは、先ほど紹介したインタビュアーの言葉、「恋愛を特別なものとして崇拝するんじゃなく、端から見て滑稽なものとして…」が当てはまる気がしますね。何ていうか、酔いの勢いでというわけではありませんが、別れの場面において、感情をごまかしている感じ、「泣いてないし!これはあくびだし!」みたいな感じ、笑

 



最低の君を忘れない
おもちゃの指輪も外さない
不死身のビーナス いつでも傷だらけ

 

これがサビの歌詞ですが、中学生の頃に聴いた時には、よく分かりませんでしたね…”最低”なのに、何で”忘れない”んだろうって。でも、今は何となく分かる気がします。

 

”おもちゃの指輪”って言葉も、とても印象に残りました。まさしくこれが、二人の恋愛の象徴だったのでしょう。指輪が本当におもちゃだったとも考えられますし、もしくは、本物は本物だけど、結局叶わなくなったので、その効果がなくなった=おもちゃみたいな物になってしまった、とも考えることができます。

 


■そして、(草野さんは)そういう相手のことを、”不死身のビーナス”という言葉で表しています。

 

”不死身”とは、言葉通りに考えると、”不死”つまり”死なない”という意味ですが、曲を聴いた感じだと、”どんな困難や苦しみにもくじけない、強い心を盛っている”という意味合いでしょう。

 

”ビーナス(Venus)”は、”美と恋の女神”や”金星”という意味合いがありますが、そういう特別なことを歌っているのではなくて、どこにでもいるような女性を当てはめた方が、聴いている感じには合います。

 

別れてもくじけずに生きていく女性の姿、あるいは、へこたれないようにと願う男性(草野さん)の姿が思い浮かびますね。

 


■まぁ、別にこの歌を恋愛に捉えなくても良い気がしますが、恋愛に当てはめた方が自然ですね。

 

あとは、この歌に、また例のごとく、心中や自殺を絡める解釈も存在しているようです。

 

もしくは、カップルではなくて、この歌の場面がただの”一夜限り”の関係として解釈を進めてみるとどうでしょうか…ガラッと変わってきますよね。そうなると、”不死身のビーナス”は、街で人気のデリヘル嬢とか当てはめるとどうですかね?笑。そのつもりで読んでみても、面白いかもしれません。