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ついに!!! スピッツのニューアルバム『見っけ』2019年10月9日発売決定!

■ついに来ました!

 

スピッツのニューアルバム『見っけ』が、2019年10月9日に発売されることが、リアルタイムで本日解禁になりました!

 

そして、アルバム『見っけ』の発売に合わせて、全国ツアー「SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 "MIKKE"」が開催されることも解禁になりました。

 

詳しくは、こちらをご覧になってください!↓

natalie.mu


 

16th Album『見っけ』
2019年10月9日発売

 

<収録曲>
01.見っけ
02.優しいあの子
03.ありがとさん
04.ラジオデイズ
05.花と虫
06.ブービー
07.快速
08.YM71D
09.はぐれ狼
10.まがった僕のしっぽ
11.初夏の日
12.ヤマブキ

 

 

 

 

■前作『醒めない』から、早いもので3年が経つ今年2019年、もうそろそろスピッツのアルバムが出るのではないか?とワクワクドキドキしていたところだったのですが…きっちり”スピッツ周期”(およそ3年周期)で作ってくれたのですね!

 

そして、アルバムタイトルの『見っけ』ですよ。何という、ヘンテコなタイトルを付けるんだと…うーん、いつも通りですね!しかも、早いもので、もう収録曲の全てが発表になっているなんて…こちらも、ヘンテコな名前の曲ばかりで、この知らない曲の羅列を見ただけでも、ワクワクが止まりません。

 


シングル曲は、【優しいあの子】の一曲のみですね。そう言えば、カップリングの【悪役】は入らないんですね、シングル『みなと』のカップリング【ガラクタ】は、アルバム『醒めない』に入ったんですけどね。

 

12曲目の【ヤマブキ】は、確か「Spitzbergen tour 2018 ”GO!GO!スカンジナビア vol.7”」にて披露された、新曲の一曲ですよね。【悪役】もそうだったんですよね。

 

あと、11曲目の【初夏の日】ですよ。これは、僕も詳しくは知らないのですが、スピッツが過去のライヴで何度か披露をしていて、未だ音源化されてなかった曲ですよね。調べてさかのぼってみると、一番古く(?)は2005年のライヴにて披露した記録を見つけることができました。何でも、”京都のご当地ソング”として作ったとか…?

 

 

■やっぱり、新しいアルバムの発表って、一番特別な感じですよね。何か、30周年を迎えたスピッツの”続き”が、いよいよ幕をあげたという感じです。

 

発売は、およそ3か月後の10月になります。しばらくは、収録曲のタイトルの羅列を読みながら、色々と想像を膨らませる日々が続きますね。しっかりと自分の日々を全うしながら、発売を待ちたいと思います。

231時限目:悪役

【悪役】

悪役

悪役

  • provided courtesy of iTunes

 

 

■シングル『優しいあの子』のカップリング曲です。

 

A面の【優しいあの子】は、朝ドラの主題歌に選ばれており、タイトルとも相まって優しい曲だということが早々に分かりました。

 

そこからのカップリングが【悪役】ですからね。シングルが発売になると決まり、曲自体は聴いていない状態でも、このタイトルが出ただけで、またカップリングでひねくれているな!と、吹き出しそうになりました。朝ドラの主題歌ということで、A面では”優しい”スピッツを演出しつつも、カップリングで舌を出して、少し”本性”を見せてやろうと、そういう感じですかね笑。

 


■何でも【悪役】は、スピッツファンクラブ限定のライヴイベントである「Spitzbergen tour 2018 ”GO!GO!スカンジナビア vol.7”」にて、発売前からもうすでに披露されていたそうですね。僕はライヴには行っていませんが、そういう噂だけは聞いていました。(【悪役】以外の新曲も披露したとか?)

 

そしてその後、シングル『優しいあの子』が発売になる直前に、草野さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組『SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記』にて、初めてオンエアされました。僕も、このオンエアで【悪役】を初めて聴いたんですけど、いやぁ、初めて聴いた時からもうしびれましたね。これは来た!と思ったわけです。

 

正直なところ、【優しいあの子】は良い曲ではあったんですけど、ちょっと物足りなさは感じていました。もっとゴリゴリなスピッツロックが聴きたいな…と思っていた矢先、この【悪役】ですよ!

 

まず、何と言っても、ギターのリフがかっこ良すぎですよね。本当に、最初に聴いた時からクセになってしまいました。曲調は、パンクロックって感じでしょうか、単純には括れないような気はしますが、ギターリフと疾走感がとにかく気持ちがいい、これスピッツロックという感じの一曲です。

 


■では、歌詞の考察をしてみます。

 

まず、何と言っても、タイトルの”悪役”という言葉ですよね。何を・誰を表すものなのか、どういう意味で使っているのかというところが、この歌の肝だと思います。

 

本来の意味を調べて見ると、「映画などで悪者の役(をする人)」や「人に嫌われる・憎まれる役(をする人)」という感じです。”悪”という言葉が使われている分、そんなに良い意味では受け取れないですが、必要に迫られて”役を演じている”だけと考えれば、本当は根はイイ人の可能性は大いにあります。

 


歌詞では、どういう風に使われているかというと、

 


うれしい時も 悲しい時も 僕のそばにいて欲しいのさ
悪役になる覚悟はある 果実に手が届くなら

 


チャラけた時も 悩める時も 君の話を聞きたいのさ
英雄に蹴られて強くなれる 若葉の匂いの中で

 

こういう感じですね。”悪役”という言葉と、その対比(であろう言葉)として”英雄”という言葉が出てくる部分を抜き出してみました。

 

どちらも、最初の一行からは、”僕のそばにいて欲しい”とか、”君の話を聞きたいのさ”などという風に、僕の君に対する特別な想いを感じ取ることができます。まぁ一番素直に考えると、恋愛感情が当てはまりそうですかね。

 


しかし、ここで謎なのは、”悪役になる覚悟はある”とか”英雄に蹴られて強くなる”という表現です。素直な恋愛として片づけてしまうには、何かが引っ掛かる表現です。

 

”悪役”(になってしまう者)という言葉は、この歌の中の”僕”を指しているとして、僕と君が一緒にいると、僕は”英雄”に蹴られたり、”悪役”になってしまうという状況があると…つまり、僕と君が一緒に居ることは許されていない、あまり良いこととされていない、ということになります。

 

例えば、君には(もしくは僕に、ひょっとしたらどっちにも)恋人や結婚相手など、もうすでに相手が居るという状況でしょうか。そうであるならば、確かに僕と君が一緒にいることが許されないという状況に繋がり、僕が相手の居る君と一緒にいることで”悪役”になってしまうという表現にも繋がりそうです。

 

そう考えると、”英雄”とは、君の本来の相手だったり、僕のことを許さない周りや世間の人が当てはまりそうですかね。ちなみに、”果実”や”若葉”は、君を象徴している言葉でしょうか。

 


ただし、”悪役になる覚悟はある”という風に、僕は自分自身が”悪役”になることに、並々ならぬ覚悟や決意を秘めていることが分かります。こういうのは、結構草野さんの歌詞に出てきますよね。当事者的には、別に”悪役”に思われても、相手のことを本気で考えていると、そういうことですよね。

 


■その他、印象に残った歌詞としては、ここら辺ですね。

 


チラシの裏に描いた 夢の世界へ
オリジナルな方法で 心配かけるけど
一緒に行こうぜ 手をつないで

 


チラシの裏のアレを ぶち込んでみたいんだ
越えちゃおうぜ 心開いて

 

印象的なのは、”チラシの裏”という言葉ですよね、いきなりなんのこっちゃ?って思うんですうけど…。

 

個人的には、”チラシの裏”は僕の妄想の世界を象徴しているものと考えて聴いていました。実際に”チラシの裏”に描いたのかは分かりませんが、とにかく自分の妄想に、君を誘っているという感じです。

 

”ぶち込んでみたい”(男性器を思い浮かべる表現か?苦笑)とか”越えちゃおうぜ”(”一線を越える”という意味で使っているか)とか、ちょっと過激で卑猥とも取れるような言葉も並んでいますが、”チラシの裏”なんていう言葉も、そもそも意味深に感じます。

 


ちなみに、スピッツに【ラクガキ王国】という歌があるのですが(タイトル通り、”ラクガキ”という言葉を僕の精神世界の象徴として使っているか?)、何となく歌詞の感じが似ているなって思いつつ聴いていました。

 

まぁ、歌詞だけではなくて、曲調の似ているし、さらにはカップリングに入っているという点も一致している両曲です。両曲に何か関係はあるのか、果たして…。

230時限目:優しいあの子

【優しいあの子】

優しいあの子

優しいあの子

  • provided courtesy of iTunes

 

■通算42作目のシングル曲です。

 

シングル『優しいあの子』は、配信限定である2作品(【愛のことば -2014 mix-】と【雪風】がそれに当たります)を含めると、通算42作目になりますが、いわゆる普通のCDとしては第40作目になります。前作のシングル『みなと』から、実におよそ3年2ヶ月ぶりのニューシングルです。本当に”待望の”という言葉が相応しいですよね。

 

そして、【優しいあの子】については、2019年4月より始まった、NHK連続テレビ小説(通称”朝ドラ”)「なつぞら」の主題歌になりました。スピッツの楽曲が、朝ドラの主題歌に選ばれることは、これが初めてのことです。

 

ちなみに「なつぞら」は、平成最後&令和最初を飾る(平成と令和をまたぐ)朝ドラであることはもちろんですが、通算第100作目の朝ドラであるそうです。そんな記念すべき朝ドラの主題歌をスピッツが担当するとは、本当に嬉しいですね。NHKさんグッジョブ!と言いたいです。

 


…そして、何でもこのNHK朝ドラ起用から、スピッツ紅白歌合戦に初出場するとかしないとか、色々と噂が流れていますねぇ。

 

仮に出ることになったなら、もし僕がもう少し若い時だったら、ひねくれて「ちぇ、何だよ、出るのかぁー」とか悪態をつきつつも、テレビの前で正座して観てたと思うんですけど、さすがにもう今の僕には、歓喜でしかありませんね。歓喜して、テレビの前で正座して観ます…嘘です、普通に観ます。

 

真相はいかに!年末を待ちましょう!

(追記 : 結局、出ませんでしたね。何故だろう、ホッとしたのは…) 

 

 

■さて、【優しいあの子】の朝ドラ起用について、もう少し触れてみます。

 

振り返って調べてみると、2月頃のことでしたね、スピッツの新曲【優しいあの子】が、朝ドラ「なつぞら」の主題歌に選ばれたと発表がありました。その当時の速報として、ネットで発表になった情報がありましたので、紹介しておきます↓

 

www6.nhk.or.jp

 

その中の草野さんのコメントを引用させていただきます。こんな感じです。

 


記念すべき“朝ドラ”100作目、大好きだった「おしん」や「あまちゃん」のようにインストがいいのでは? とも考えましたが、今回は歌ありです。ドラマタイトルが「なつぞら」なのに詞がかなり冬っぽい仕上がりになってます。これには理由がありまして、お話をいただいてから何度か十勝を訪ねました。そこで感じたのは、季節が夏であっても、その夏に至るまでの長い冬を想わずにはいられないということ。「なつぞら」は厳しい冬を経て、みんなで待ちに待った夏の空、という解釈です。広く美しい北海道の空の力で書かせてもらいました!

 

先述の通り、スピッツが朝ドラの主題歌を担当することは初めてのことだったのですが、この短いインタビューを読んだだけでも、草野さんが、【優しいあの子】を本当に真摯に、大切に作ったんだなってことがよく分かります。

 

「お話をいただいてから何度か十勝を訊ねました」「広く美しい北海道の空の力で書かせてもらいました!」など、【優しいあの子】を作るために下調べや準備を重ね、本当に愛を持ってお作りになったのでしょう。

 


ちなみに、スピッツ×北海道と言えば、やっぱり僕は、水曜どうでしょう鈴井貴之を思い出すんです(【雪風】の記事でも書かせていただきました)。

 

そういえば「なつぞら」には、TEAM NACSのメンバーである、音尾琢真さん、安田顕さん、戸次重幸さんのお三方が出演していますね。これはもう、残りのメンバーである、森崎博之さん、そして、大泉洋さんも、どこかで出演なさるんですかね?あんまり僕は、「なつぞら」を観てはいないんですけど、そうなると、うれしーです。

 

(※TEAM NACS(チーム・ナックス)…北海学園大学演劇研究会出身の、音尾琢真さん、安田顕さん、戸次重幸さん、森崎博之さん(リーダー)、大泉洋さんにより結成された演劇ユニット。演劇にあんまり興味のない僕ですが、ナックスの演劇のDVDは何枚か持っています。かなり面白いので、興味がありましたらぜひ観てみてください。)

 


僕は、スピッツと朝ドラって、よく似ていると思っているんです。

 

まずは、どちらも”国民的”ですよね。そして何より、どちらも”長く途切れずにずっと続いているもの”じゃないですか。ちなみに、スピッツは2017年で結成30周年を迎えたし、調べてみると、連続ドラマ小説(朝ドラ)は、なんと1961年(昭和36年)から…2019年現在で、実に58年も続いていることになるんですね!

 

だから、スピッツの楽曲が朝ドラの主題歌に選ばれたという情報を得た時、何だかすごい自然な気持ちで嬉しかったんです。何か、スピッツと朝ドラが、互いに互いを労っている感というんですかね、「お疲れ様、ここまでお互いよく頑張ってきたよね」っていうやり取りを想像したんです。

 

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■ということで、【優しいあの子】という曲について、考えていきたいと思います。以前に、短めの記事を書いたのですが、その内容と重複するところがあることを、先にお詫びしておきます。

 


まず、曲調としては、ミディアムテンポって感じでしょうか、ロック調で早いテンポでもなく、かと言ってゆったりし過ぎているわけではない、こういう感じの曲は、まさにスピッツお家芸と言えるではないでしょうか。

 

曲の感じは、カントリー調って感じですかね。この歌が、北海道を舞台とした朝ドラの主題歌であるということを鑑みても、どこか牧歌的で、元気が湧いてくるような明るい曲になっていると考えられます。

 

比較曲として、この曲がスピッツの【花の写真】に似ているとおっしゃっている方も居て、そのことについて、草野さん自身もラジオで触れていました。「長く続けていると、そういう似たような曲も出てくる…」みたいなことを言ってたような気がします。個人的には、他にも、【海を見に行こう】とか【稲穂】とかにも似てるかなと思いました。

 

クレジットを見ると、アディショナルインストとして、ホルンやオルガンなども加わっているようです。聴いてみると、どちらの楽器も、この曲をより牧歌的に仕上げることに一役買っているように感じます。

 

 

 

■歌詞について、考えてみます。

 

まず、この曲を聴く前に、新曲のタイトルが”優しいあの子”になるという前情報を得た時に、僕はすぐ単純に、「この曲は、”優しいあの子”のことについて書いている曲なのだろう!」とつなげました。

 

”優しいあの子”がどんな子なのか、どんな風に”優しい”のか、そして、その”優しいあの子”について”僕”がどんな風に考えているのか(ちなみに、”僕”などの一人称は歌詞には出てこないけれど、便宜上”僕”とします)、”優しいあの子”とどんな風に過ごしてきたのか、などということが書かれているんだろうと、聴く前から色々と想像していました。

 


ただ、実際に【優しいあの子】を聴いた時に、ちょっと違うことを考えたんです。そう考えた所以は、以下のような、サビの終わりの歌詞の部分を読んだからでした。

 


切り取られることのない 丸い大空の色を
優しいあの子にも教えたい

 


寂しい夜温める 古い許しの歌を
優しいあの子にも聴かせたい

 

終始、サビの終わりには、”優しいあの子にも教えたい”だの”優しいあの子にも聴かせたい”という風に締めくくられているんです。

 

普通だったら、”優しいあの子”というタイトルなので、”優しいあの子”がきれいな空を見ている描写だったり、もっと言えば、想いを寄せている”優しいあの子”と”僕”が一緒に空を眺めている、などという描写になりそうなんですけど、そうはなってないんです。

 

そこには一緒に居ないんですよね、”僕”と”優しいあの子”は。それは、ひょっとしたら寂しいことなのかもしれないけれど、”僕”が独りで景色を見たときに、きれいだと感じたことを、”優しいあの子”に伝えたいと想ったということ自体が、もうこの歌の主人公である”僕”自身も優しい人であるということも表しているし、そんな二人に特別なつながりを考えざるを得ません。

 

 


■ということで、じゃあ”僕”と”優しいあの子”の関係性はどういう感じなのでしょうか。

 

まず、一番しっくり来るのは、上述のことから自然に考えれば、”僕”が”優しいあの子”に抱いている感情は、恋愛感情ということですかね。独りで訪れた地で、きれいな景色に出会ったときに、真っ先に想いを寄せている”優しいあの子”のことを考えている時点で、それは恋愛感情に置き換えることはできるのではないでしょうか。

 

決して、”君が好き”だとか”愛してる”だとか、そういう言葉を使わずに、”僕”が”優しいあの子”のことを想っていることを、”教えたい”という言葉で間接的に表しているということ自体、草野節だなぁって思うんです。

 


または、この歌が朝ドラ「なつぞら」の主題歌に選ばれたということをもっと考えれば、”僕”=草野さん、”優しいあの子”=「なつぞら」の主人公であるナツ(広瀬すずさん)、と考えてみるとどうでしょうか。

 

先程紹介した草野さんのコメントの中にも、実際に北海道の地を訪れて、この歌への想いを膨らませたであろうことが書かれているので、予め「なつぞら」の物語を知らされた上で、草野さんがこの【優しいあの子】の作詞作曲に着手したのだと想像しています。

 

そこまで、僕自身がこの「なつぞら」を観ているわけではないのですが、大まかな最初のあらすじとしては、東京で暮らしていた主人公のナツは、戦争により両親を亡くした戦争孤児で、そこから北海道に引き取られ生活していくことになります。そこから、生き別れた兄を探すという理由もあって、また「アニメーター」になりたいという夢を抱き、再び上京してくるというものだそうです。

 

何ていうかこの歌は、かつて北海道で過ごしたナツに向けて、草野さんが実際に訪れた北海道の景色を見て、「相変わらず北海道の景色はきれいだよ」と伝えたい、という気持ちを歌っているようにも読むことができます。

 

ちなみに、スピッツ×広瀬すずに関しても、以前にスピッツが、これまた広瀬すずさん主演の映画「先生! 、、、好きになってもいいですか?」を担当したことを思い出してみると、これまた両者に縁があったということですね。

 

 

 

■その他、印象に残った歌詞を紹介しておきます。

 


重い扉を押し開けたら 暗い道が続いてて
めげずに歩いたその先に 知らなかった世界

 

ここが冒頭の歌詞になります。

 

例えば、トンネルみたいな暗くて窮屈な道を光に向かって進んでいて、そこから抜け出した時に、一気に広い世界が視界いっぱいに広がっていくような、そんな光景を想像することができます。

 

ここの部分は、そのまま草野さんが北海道の地を訪れて体験したことを歌っていると考えることができそうです。

 



口にするほどに泣けるほど 憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き たどり着いたコタン

 

最初、空耳っぽく”コタン”という歌詞が聴こえて、ここは本当は何て歌っているんだろうって考えたことがありましたが、本当に”コタン”と歌っているようですね。”コタン”とは、アイヌ語で「宅地」「集落」などという意味だそうです。

 

ここは何ていうか、色んな苦労をしてきて、ようやく自分が安らげるような、自分らしい場所に辿り着くことができた、ということを表しているような気がします。

 

朝ドラの物語に繋げて考えるならば、戦争孤児だったナツが北海道の地に引き取られたことや、夢を叶えて自分らしい場所で仕事ができるようになることなどが思い浮かびます。

 


■それから、これも以前にすでに記事で書かせていただいたのですが、この歌には、言葉にはなっていない歌詞、具体的には「ルルル」で歌われている部分があります。

 

例えば、歌詞には書かれていませんが、あえて書くならば、サビの部分がこんな風になっています。

 


怖がりで言いそびれた ありがとうの一言と
日なたでまた会えるなら 丸い大空の色を
優しいあの子にも教えたい 
ルール―ルールー ルール―ルールー 
ルールールールルー

 

という感じです。ここの部分は、多少無理やりに想像したんですが、同じ北海道つながりで考えると、真っ先に思いついたのが、さだまさしさんの【北の国から】という歌です。同名のドラマの主題歌として有名ですよね。

 

楽曲【北の国から】は、”あーあー”だったり”んーんー”というような、言葉にならない歌詞で構成されている楽曲なのですが、ちなみに、wikiからの引用でこの歌が生まれたエピソードがこちらです。

 


さだは、北海道の広大な台地をイメージしたメロディーラインを「♪ああーあああああーあ(語尾下げて)」と発したところ、倉本が「それいいね。で、その続きは?」と言い、「♪ああーあああああー(語尾上げて)」と発した。さらに倉本の「続けて」に対して、さだは「♪んんーんんんんんーん、んんん、んんんんんー」と呼応。これを聞いた倉本が「いいね。これでいこう」とそのまま決定。メロディーラインを即興で考え発しただけのつもりが、イントロのギターからAメロ・Bメロと、その時の即興メロディー案がそのまま採用され、わずか10分ほどで基本が出来上がったという。

 

何となく、つながりを感じたんですけど、どうですかね?

 

またまた先程のインタビューより引用してみると、”大好きだった「おしん」や「あまちゃん」のようにインストがいいのでは? とも考えましたが…”とも語られています。

 

そういうものをリスペクトした名残りなのか、北海道の美しさを表すのに言葉はいらない、これ以上は歌詞にできない、的なことを考えました。

 

youtu.be

朝ドラ「なつぞら」のOPアニメで【優しいあの子(TV ver.)】を聴いた感想

■まずは、少しご挨拶を。

 

”平成”が終わり、”令和”が始まりました。

 

ということで皆様、(元号が)変わりましておめでとうございます、令和もよろしくお願いします。

 

今年は、例年と違って、とてもとても忙しい毎日を過ごしているのですが、リアルタイムで今は、おそらく1年で一番長い5連休をのらりくらりと過ごしつつ、この記事を書いています。こりゃ、連休明けが怖い…。

 

スピッツ大学も、変わらず頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

 

 

 

■さて。

 

【優しいあの子】が何度も聴けるようになりましたね。いわゆる【優しいあの子(TV ver.)】ってやつでしょうか。朝ドラのオープニングアニメが、Youtubeで公開になっています↓

 

youtu.be

 

あんまり、朝ドラをほとんど見ることができない自分にとっては、とても嬉しいことです。好きなタイミングで好きなだけ、聴く(見る)ことができるので、今もこうやって文章を打ちながらエンドレスで流しています。

 

まだまだ、ごく短いショートバージョンなんですが、これを聴いてみて感じたことが2つあったので、書いてみます。

 

 


①全体を聴いてみての印象

 

曲の感じは、本人もラジオ番組で触れていたように【花の写真】に似ていますね。個人的にも「確かに」と思いました。Aメロ→Bメロ→サビと、リズムが変わっていくのが、面白い曲です。

 

それで、歌詞の方なんですけど、個人的に「あーそう来るのか」って、良い意味で裏切られた点があったんです。それは、サビに入っている”優しいあの子にも教えたい”というフレーズを聴いた時でした。

 

僕はてっきり、Aメロで”重い扉を押し開けた”り、”めげずに歩いた”り、Bメロで”切り取られることのない丸い夜空”を見上げたりした人物は、”優しいあの子”なのかな、って思ったんです。

 

しかし、そういう風に続いていって、サビで”優しいあの子にも教えたい”って出てくるんですよね。ここで、あー、これらの景色を体感したのは、(おそらく)他でもない草野さんだったんだなって分かったんです。そして、その景色がどんなに美しかったのか、”優しいあの子”に教えてあげよう、と歌っているんですよね。

 

普通に考えると、”優しいあの子”ってタイトルで、しかも朝ドラの主題歌と来たら、何となく”優しいあの子”を主人公にして、歌詞を書きそうなんですけど、自分が体感した景色の美しさを、”優しいあの子”に教えたい、と歌っているのは、もう草野節だな!って思うんですよね。

 

ちなみに、この辺りのことは、草野さん自身が北海道は十勝を何度か訪れて、この歌を作ったというエピソードがあるようで、その時の気持ちを素直に歌っているということなんだと思います。

 


②サビの「ルルル」

 

スピッツの歌には、時々「ラララ」や「ルルル」などの、言葉としての意味のない歌詞が出てきます。パッと思いつくものだと、【水色の街】や【scat】や【ウサギのバイク】などでしょうか。

 

例:水色の街(個人的にすごい好き、たまに無性に聴きたくなる)

youtu.be

 

そして、この【優しいあの子】にも、「ルルル」が出てきます。あえて書くとするならば、サビの歌詞が、

 


優しいあの子にも教えたい
ルールールールールールールールー
ルールールールルー

 

という風になっています。

 


ところで、こういう歌をスピッツ以外で探していった時に、真っ先に思いつく曲があります。…そう!さだまさしさんの【北の国から】ですね!ですよね?

 

主題歌【北の国から】ができた逸話としては、wikiのを引用させていただくと、

 


さだは、北海道の広大な台地をイメージしたメロディーラインを「♪ああーあああああーあ(語尾下げて)」と発したところ、倉本が「それいいね。で、その続きは?」と言い、「♪ああーあああああー(語尾上げて)」と発した。さらに倉本の「続けて」に対して、さだは「♪んんーんんんんんーん、んんん、んんんんんー」と呼応。これを聞いた倉本が「いいね。これでいこう」とそのまま決定。メロディーラインを即興で考え発しただけのつもりが、イントロのギターからAメロ・Bメロと、その時の即興メロディー案がそのまま採用され、わずか10分ほどで基本が出来上がったという。

 

ということだそうです、天才か?笑

 


で、【優しいあの子】ですよ。同じ、北海道をモチーフにした歌ですよね。で、何かのインタビューで、草野さんが【北の国から】という歌に触れていたのを見たことがある気がするんですけど、ちょっとどこにあったか思い出せないんですよね。見つけたら、また載せてみます。

 

まぁとにかく何が言いたいかというと、【優しいあの子】の「ルルル」は、【北の国から】のオマージュなのかな?と思ったりしています。

 

何ていうか、北海道の雄大な自然を表すのに言葉は要らないみたいな?これ以上は歌詞にできない的な?そういうのを、勝手に想像しています。

朝ドラ「なつぞら」が始まる 新曲【優しいあの子】初OA & シングルリリース決定

■新しい元号が”令和(れいわ)”と決まり、令和フィーバーに沸いた(のか?)今日ですが、スピッツファンにとっては、それよりも別の意味でフィーバーする日となりました。

 


まず一つ目。

 

癒される!スピッツの「なつぞら」主題歌が大好評

https://www.cinematoday.jp/news/N0107842

 

これは、すでに前情報が出ていたことですが、スピッツの新曲【優しいあの子】が起用されることになった朝ドラ「なつぞら」が、今日から始まりました。

 

ということは、必然的に、今日スピッツの新曲【優しいあの子】が初OAになって聴けるということになるわけですが…どうでしたか?どんな感じの曲でしたか?

 

僕自身は、時間的なこともあって、その歌をまだ聴いていないのですが、きっといつかどこかで出会えるときが来ることを思って(朝ドラを見るチャンスがいつかくることを思って)、待ちたいと思います。

 



それから二つ目。

 

スピッツNHK連続テレビ小説なつぞら』の主題歌”優しいあの子”をシングルリリース

https://rockinon.com/news/detail/185119

 

何と早くも、その【優しいあの子】のシングルリリースが発表されました。

 

 

『優しいあの子』
2019年6月19日(水)発売

 

【収録曲】
01.優しいあの子(NHK 連続テレビ小説なつぞら」主題歌)
02.悪役

 

 

だそうです。

 


A面の【優しいあの子】は、すでに説明の通り、朝ドラ「なつぞら」の主題歌に起用された新曲です。

 

そして、カップリング曲【悪役】…これに関しては、2018年に行われた、ファンクラブ会員限定のライヴ「Spitzbergen tour 2018 "GO!GO!スカンジナビア vol.7"」にて、早くも新曲として発表されていたそうです。

 

(当ライヴツアーでは、【悪役】以外にも、発表された新曲があったとか?恐らく、今後アルバム収録曲などになるのでしょう)

 

それにしても、【優しいあの子】からの【悪役】ですからね。何ていうか、こういう天邪鬼なところは変わってないですね。A面でしっかりタイアップもらって、可愛いらしい皮を被りつつ、カップリング曲で本性を表す的な感じなんでしょうか笑

 


ということで、また楽しみが増えましたね。さらに思えば、前アルバム『醒めない』の時は、1枚のシングル『みなと』を出してから、アルバム発売へと続きましたからね。このシングルがまた、新しいアルバムの布石となっているのでしょうか。

 

待ちましょう!

連続テレビ小説「なつぞら」 主題歌にスピッツの新曲【優しいあの子】

■取り急ぎ、スピッツの新曲情報を紹介しておきます。


もう、熱心なスピッツファンの目と耳には届いているかと思いますが、本日ついに、スピッツの新曲の情報が解禁されました。それが、こちらでございます↓

 

www6.nhk.or.jp

 


概要をまとめておくと…

 

2019年4月1日(月)より放送を開始する、NHK連続テレビ小説(通称:朝ドラ)の「なつぞら」の主題歌に、スピッツの新曲『優しいあの子』が選ばれました。

 

今回の朝ドラは、記念すべき通算”100作目”であるようです。

 

主演は、広瀬すずさん。そして、確か紅白か何かで発表があったんじゃなかったですっけ…ナレーションを、ウッチャンナンチャン内村光良さんが務めているようです。

 

草野さんのコメントを少し紹介しておくと…

 


お話をいただいてから何度か十勝を訪ねました。そこで感じたのは、季節が夏であっても、その夏に至るまでの長い冬を想わずにはいられないということ。「なつぞら」は厳しい冬を経て、みんなで待ちに待った夏の空、という解釈です。

 

ということだそうです。

 


■新曲のタイトルは『優しいあの子』、そして、朝ドラの主題歌…本当に嬉しいニュースです。

 

”優しい君”とか”優しい人”とかではなく、”優しいあの子”とちょっとひねってくるのが、何とも草野さんらしいところですよね。”君”とか”あなた”よりも、”あの子”とした方が、何となく自分が”その人”のことを想っている感を感じます。

 

何となく、【潮騒ちゃん】みたいな感じの曲をイメージしているんですが、どうなんでしょうね。

 


とにかく、続報を待ちましょう!

 

これはスピッツに限ったことではないですけど、新曲が出ることが発表になって、実際に曲が解禁になるまでの、この”生殺し期間”って、待ち遠しくて、もどかしくて、でも、とても幸せな時間ですよね。

スピッツ大学の一旦休止に際して 報告と思うこと

■おはこんばんちは、学長のitukamitanijiでございます。

 

これを打っている日時は、2018年12月29日でございます。リアルタイムで見ておられる方には、どうか良いお年を!

 


ということで、早速本題に入ります。

 

同じことを何度も書いていますが、2018年12月現在の時点で、これまでに書きたかった全ての記事を、一旦書き終えることができました。

 

ここスピッツ大学で、一番力を入れてやってきたことは、「スピッツが発表した全曲を紹介・解説すること」でした。具体的には、スピッツ全曲研究セミナーと、スピッツ全アルバム研究セミナーを書き終えることでした。インディーズの楽曲を除いて、いわゆる”普通に聴く”ことができる楽曲について、全て紹介することが目標でした。

 

期間にして、3年半くらいでしょうか…まぁ最初の方の記事は、前身のブログからのコピペだったので、そこを合わせると、合計4年くらいでしょうか。スピッツ全曲研究セミナーについては、アルバム『醒めない』の収録曲、その後に発表された新曲たちを経て、最後はおまけで【晴れの日はプカプカプー】まで…229時限目(記事)まで書き終えています。

 


…ということで、もうネタがございません!

 

まぁ、ネタなんて言うのは、本当は無理やり作ればいいのですが、ことスピッツ大学に関しては、先述の通り、スピッツの楽曲があって成立するところなので、それを全て紹介しつくした現状では、もうできることがありません。

 

つきましては、スピッツ大学の更新は、一旦ここで止めます。また、スピッツの活動に何か動きがあったら…特に新作の発表がありましたら、またここで思う存分書きたいですね。2019年には、スピッツの新しいシングルやアルバムが出そうですかね?それまで、いちファンとして、待ちたいと思います。

 


これまでずっと意欲が続いたのも、やっぱりたくさんの方が読んでくださっていたからだと思います。本当にありがとうございます。まぁ、全然終わりじゃないですからね、また新しい曲が出た時は、「そういえば、アイツ書いてるかもしれないな」とか思い出して、良かったらまた遊びに…いや、講義を受けに来てください。


…と、形式的にですが、あいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました。

 

 

 

■ということで、ここからはまた、長くスピッツ大学を書いてきた、個人的な気持ちをダバダバと書いていくので、興味のお有りの方はこのまま読み進めてください。

 

今回、この一旦のスピッツ大学の終わりに際して、これまであまりやらなかったことですが、質問・ご意見などを募りました。そんなに集まってないのですが、それを基に、自分の気持ちを書いていきたいと思います。

 

 


「実は去年の広島ライブで斜め後ろくらいにいました。MCで座る気配が一向にないのが、私とitukamitanijiさんくらいだったのとメモに曲を書かれていて、すぐにわかりました!」

 

まずは、いきなりこちら笑。

 

何と、僕は目撃されていたようなのです、多分僕だったんでしょうね笑。もう、びっくりしちゃいました。

 

ここに書いてある通りなのですが、MCやアンコール待ちでも、一回も座らなかったんですよね。…と言うより、座れなかったんですよ、気持ちが昂っちゃって、もったいない気がしたんです。後ろの方々には、邪魔になってしまっていたら、申し訳なかったですね。変な行動を目撃されていなければ良いのですが、苦笑。

 


スピッツ大学に関しては、本当にいい時期に書いていたな、と思うんです。スピッツ結成30周年という、記念すべき時期をまたぐことができて、すごくタイミングとしては良かったんです。

 

そして、この時期にブログを書いていたからこそ、ライヴに行ってみようという気持ちになって、実際に初めてライヴに行くことができたわけですからね。30周年ライヴに参加できたのは、一生語り継げる宝物になりました。

 

 


「学長が、解釈を書いていて思い入れのある(楽しかった)曲」

 

これに関しては、全曲!…と言いたいところですが、やっぱり思い入れのある曲はあります。

 

基本的には、自分が好きな曲(個人的ランキング上位の曲)は、かなり思い入れを持って書いたつもりです。あと、シングル曲とかですかね、やっぱりいつもより気合いを入れて書かないとって、張り切っていました。

 

思い入れのある曲でダントツなのが、【1987→】【ロビンソン】【僕はきっと旅に出る】が3強ですかね。1曲ごとの紹介として書いた記事では、この順番で文量が多いんです。

 

特に、【僕はきっと旅に出る】に関しては、思い入れが強いです。震災のことを思ったり、自分が仕事を辞めた頃のことを思い出したりと、あまり明るい記事にはなりませんでしたが、まぁ明るく楽しいだけがスピッツ大学というわけではないですし。大切に書いた記事です。こういう記事を書くために、スピッツ大学をやっていた、と思える記事の一つですかね。

 

itukamitaniji.hatenablog.com

 

 

 

「昔の歌詞と今の歌詞の違い」

 

僕の中で、スピッツの歌詞の感じが変わったなと感じた時が3時点あると思っていて、それぞれ、

 

①アルバム『Crispy!』辺り
②アルバム『三日月ロック』辺り
③アルバム『小さな生き物』以降

 

なんです。

 


まず、アルバム『Crispy!』辺りのことで言えば、シングル曲の【裸のままで】において、”君を愛している”という言葉が使われています。アルバム『Crispy!』が、スピッツが売れ線を狙って、キャッチーなアルバムを目指して作ったアルバムだったので、そういう気持ちの変化が、歌詞や曲の雰囲気に、劇的な変化をもたらしたんだと思われます。

 

”君を愛してる”というフレーズを使ったことについても、インタビューの中で、

 


草野さん「もう『君を愛してる』っていう言葉は意味を持ってないって考えてもいいと思うんですよ。なんか『ポパイに載ってたからこの服を着てみよう』っていう感じの。みんなで歌ってるから一度ぐらいは歌ってみようっていう(笑)。例えば、今までは『ポパイに載ってるような服は絶対に着たくない』って言ってたわけですよ。」

 

という風に語っています。僕の想像も含めますが、草野さんは、ずっと直接的なフレーズを使うことに抵抗を示していたんだと思います。

 


それから、アルバム『三日月ロック』辺りで区切ってみると、僕の一番好きな曲が、【けもの道】なんですけど、この曲を聴いたときに(歌詞を読んだときに)、ちょっと今までとは違うなって感じたことがあったんです。

 

それは、歌詞に”あきらめないで”という言葉が使われていたことでした。

 


あきらめないで それは未来へ
かすかに残るけもの道
すべての意味を 作り始める
あまりに青い空の下
もう二度と君を離さない

 

こんな感じの歌詞です。先程の【裸のままで】の歌詞と同様、とても直接的な言葉が使われていると感じたんです。”あきらめないで”なんて、まさにそうですよね。他にも、曲の最後に”フレーフレーフレー”というエールも入っていて、かなり今までとは違うなって感じたことを覚えています。

 

ただし、この辺りは、アルバム『Crispy!』のときに、ちょっと無理してキャッチーな言葉を使っていた、というのとは少し違っているように思ったんです。この【けもの道】の歌詞は、そういう風に書かなければ伝えることが出来なかった想いを感じます。

 

アルバム『三日月ロック』は、アメリ同時多発テロによって、不安な気持ちに包まれている日本を、少しでも応援しようという草野さんの気持ちが大きく反映されていると思います。そういう気持ちを歌詞に込めるのに、より真っ直ぐな言葉が必要だったんだと思います。

 


そして、アルバム『小さな生き物』以降について。

 

最初の頃は、草野さんの歌詞のテーマは「セックスと死」、というものが中心にありましたが、東日本大震災を経て、「死と再生」というものに変わっていきました。アルバム『小さな生き物』やアルバム『醒めない』がそうですよね。

 

何となく”セックスと死”というと、”始まりから終わるまで”っていう感じじゃないですか。昔は、そこで終わりだったんです。

 

しかし、”死と再生”だと、”終わりからまた始まる”という感じになりますよね。これは例えば、未曽有の大災害によって、悲しみに包まれた日本とそこに住む人々が、少しでも悲しみから立ち直れるようにという、草野さんの気持ちが入っているのだと思います。

 

他にもあると思いますが、こういうたくさんの大きな出来事を前にして、草野さんの心境の変化っていうものは、歌詞に表れていると思います。

 


ここスピッツ大学では、初期の曲から、最新の曲まで紹介してきたのですが、やっぱり初期の曲は、世界観がマニアック過ぎて、自分なりの解釈を述べるのがとても難しかったのは事実です。一方で、最近の曲は、もちろん独特なものもありますが、ほとんどの場合は、かなり読みやすくなって、割とそのままだなと思う歌詞も多くありました。

 

全体的にまとめてみますと、最初は、”始まりから終わり”という、内に秘めた”閉じた世界”のことを書いていたと思っています。それはいわゆる、草野さんの妄想やファンタジーの要素が、色濃く反映されていました。

 

そこから、草野さんの歌詞は、より現実のものに影響を受けるようになってきたのだと思われます。直接自分の身に起こったこともそうですが、これまで書いてきた、現実で起こった様々な出来事を原因として、もっと自分と現実との関わりを、書くようになったのだと思われます。

 

…何かまとまってないですね、すんません。

 

 

 

「(この間の自分の妄想なのですが)もしもスピッツスペシャルプロデューサーになって「My SPITZ Mix」という題でスペシャルアルバムを作ることになったらどのような選曲をしますか?既存曲→15曲、カバー→1曲、アレンジを含む歌い直し→1曲」

 

今の気分だったら…

 

01.スピカ
02.放浪カモメはどこまでも
03.8823
04.ほのほ
05.ワタリ
06.魚
07.猫になりたい
08.漣
09.僕はきっと旅に出る
10.テレビ
11.夢追い虫
12.旅の途中
13.けもの道
14.1987→
15.フェイクファー

 

カバー:鱗 / 秦基博(単純に歌って欲しい)
歌い直し:晴れの日はプカプカプー(新録)

 

ですかね。【晴れの日はプカプカプー】は、切に願っています。

 

 

 

「心残りな解釈の曲はありますか?」

 

これは、無いですね。男なら、一発勝負ですよ!

 

自分の記事を書いた後で、他の人の解釈を読むことはあるんですけど、自分のと似ていたり、あるいは全然違っていたりします。でも、自分の解釈は、どれも一番大切にしたいし、記事は一発勝負なんですよね。ですんで、自分の記事で、心残りを感じたことはありません。

 

ただ、矛盾するかもしれませんが、最初の方の記事は、書き直してみたいなって思うときがあります。まだ自分でも書き方が確立されていなかったので、今になってまた同じ曲の記事を書くと、結構違うものになるかも?とは思っています。

 

 

 

「続けるって何でもそうですけど思ってるよりずっと大変で、だけどとても大切なことですよね。これが大きな力となってスピッツを愛する皆んなに届いているんですね。すごくステキな繋がりだと思います。」

 

これは、本当にそう思います。スピッツも30年続いて、まだまだこれからも続いていくということに関しても、アーティストとファンという関係以上に、人の生き方として尊敬できることがたくさんあります。自分も、そうでありたいなと、思うばかりですけどね。

 

ただ、読んでくださった方とのつながり、というものに関して言えば、そこらへんはそんなに自分からは、積極的にできなかったかったですかね。結構、一方通行的に、わがままに記事を書いていくだけで、自分からは積極的に裾野を広げるようなことはできませんでした。そういうことを、せめて少しでも考えて行った企画が、「スピッツ大学ランキング」だったんですけどね。

 

僕にとっては、たくさんの読者がついてくださって、それはとても嬉しいことなのですが、逆に、こちらから…という意味では、ほとんどやってないんですよね。申し訳ないです。

 

ただ、読んでくださった方には、本当に感謝しています。少しでも、楽しんでいただけたら幸いです。

 

 

 

「ブログを書く上で、気を付けていることと、苦労していることは何ですか?」

 

(※これは、もう1年くらい前になりますが、ツイッターのDMかコメントかで、こういう感じの質問をされたことがありましたが…確か、答えようと思いつつ、結局無視しちゃったんです苦笑。だから、今一度ここでほじくり出して、答えてみようと思ったわけです。すみません。)

 


気を付けていることは、「具体的に書く」「分かりやすく書く」ということです。自分から勝手に始めたことだとしても、”解釈を書く”だの”考察を述べる”だの公言してしまっているので、その通りのことをまずしないといけないと思うのです。

 

その時に、読んだ方々に、意味が通じないようじゃ良くないなぁと。あんまり難しい言葉は使わずに(というより使えないだけですが)、あんまり不思議な言い回しは避けて、具体的に説明しようと思ったんです。

 

だから、別に僕の記事に、しっくりくるかこないかは良いんです。ただ、自分の言いたいこと自体がよく分からなくて伝わらないようじゃ、寂しいなって思うんです。

 


苦労していることは…最初から最後まで、ありませんでした!

 

何ていうか、苦労を感じたら、きっと書くことを止めていたと思います。仕事でもなんでもなく、ブログでお金を稼ぐことなんて、これっぽっちも考えておらず、無償で書き続けています。ただ、スピッツが好きなことと、文章を書くことが好きで、その欲を満たす趣味を楽しんでいるだけなので、苦労を感じたら意味がないんです。ただ、楽しいから、続けているだけなのです。

 

最初から最後まで、個人的には、楽しく書かせていただきました。これからも、そうであってほしいし、そうでなければ書き続ける意味がありません。

 

 

 

■はい、という感じでございます。

 

まぁ、何度も言うように、全然終わりではないですので、僕も毎日スピッツ大学は覗いていますので、何かありましたら、どこの記事にでもコメントをいただければ、なるべく反応しようと思っています。

 

また長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださった方が居られましたら、どうもありがとうございます。

 

またお会いしますよ!お元気で! 

itumamitaniji 記

皆さんへお知らせとお願い

■平素より大変お世話になっております。おはこんばんちは、学長のitukamitanijiです。

 

 

早速ですが、今日はとりあえず、手短に話しておきます。

 

ここスピッツ大学で、現時点(2018年12月)までで書きたかったことを、全て書き終えることができました。具体的には、目標としていた、スピッツ全曲研究セミナーにて、自分が普通に聴くことが出来る全曲を紹介したつもりです。アルバムの方も、同様でございます。

 

ですので、スピッツ大学の総括的な記事を近いうちに(年内に)書いて、一旦スピッツ大学で記事を更新することを、一旦著しく減少させるつもりです。

 


■つきましては、このような節目において、

 

最後に何かこういうことを書いて欲しい(聞いてみたいこと)とか、スピッツ大学に感想などがありましたら、お聞かせください。それに触れつつ、記事を書こうかなと思っております。要は、インタビュー的な記事になれば面白いかな、とか思ったんですが…特に何も無ければ、勝手に独りで盛り上がって書こうと思いますので、あしからず…苦笑。

 

多分、週末くらいまでに書こうと思っていますので、短い期間になりますが、皆様の忌憚なき意見をお待ちします。この記事のコメント欄にでも書いていただけたら幸いです。

 

では、よろしくお願いします。 学長 itukamitaniji

229時限目:晴れの日はプカプカプー

【晴れの日はプカプカプー】

 

晴れの日はプカプカプー

晴れの日はプカプカプー

  • provided courtesy of iTunes

  

スピッツのインディーズ時代の楽曲です。1989年4月に発売になったらしい、自主制作カセット『ハッピー・デイ』に収録されているようです(ちなみに、スピッツの結成は1987年、スピッツのメジャーデビューは1991年)。

 

インディーズ時代のカセットのため、今では手に入れることがほとんど不可能である作品です。ネットオークションに、時々現れているようですが…。

 


カセット『ハッピー・デイ』の収録曲は、A面が【僕はジェット】【晴れの日はプカプカプー】、B面が【クモ少年が走る】【ハッピー・デイ】の全4曲。

 

これらの収録曲のうち、カセット以降で音源化(CDやDVDで聴くことができる)されているのは、【僕はジェット】と【晴れの日はプカプカプー】のみで、【クモ少年が走る】と【ハッピー・デイ】は、音源化されていないはずです(よね?)。

 

【僕はジェット】は、スペシャルアルバム『色色衣』にも収録されていて、聴くことができます。

 

そして、今回の【晴れの日はプカプカプー】についても、2016年1月1日に発売になった、映像作品『THE GREAT JAMBOREE 2014 “FESTIVARENA” 日本武道館』において、DVD・BDにライヴ映像が、そして、限定盤のCDにはそのライヴ音源が、それぞれ収録されています。僕自身は、通常版しか持っていないので、CD音源ではプカプカプーすることができないので、もっぱらライブ映像を見てプカプカプーしています。

 

おそらく、インディーズ時代の音源は、また違う感じの曲になっているのでしょうけど、スピッツ大学の原則として、インディーズ時代の楽曲は、”正当な方法”で僕自身が聴くことができる曲のみ、紹介させていただこうと思っていました。

 

ですから、【晴れの日はプカプカプー】は、映像作品『THE GREAT JAMBOREE 2014 “FESTIVARENA” 日本武道館』で聴くことができるので、そちらの音源を基にして書いています。

 


■それにしても、この【晴れの日はプカプカプー】は、インディーズ時代の楽曲ながら、とても素晴らしい曲です!

 

インディーズ曲の中でも、この【晴れの日はプカプカプー】は人気が高く、ライヴで演奏された回数が、比較的多い曲だそうですね(一番多いんですかね?)。この武道館ライヴだったり、ファンクラブイベント、通称・ゴースカでもやったことがあるようです。

 


まず、イントロからワクワク感が止まらないですね。最初は草野さんのアコギの音から始まって、そこからギター、ベース、ドラムが少しずつメロディーを変えながら集まっていく感じがたまりません。

 

特に、僕はアコギの音がすごく好きなんですよ、イントロとサビで、同じコード進行を繰り返しているだけなのに(アコギで、ミュートなしのパワーコードを弾いているか?)、すごい気持ちがいい音なんです。

 

この辺りはあれですかね、かつてスピッツはパンクロックバンドで活動していたわけですが、そこから少しずつ草野さんがアコギを弾きながら歌うという形に音楽性が変わっていったということを鑑みると、その変革期に生まれたような曲ですよね。全体的に、演奏もボーカルも優しいんですけど、パンクロックっぽさがその後ろに見え隠れしているような、何とも不思議な曲です。

 


そして、さすがはインディーズ時代からあった古い楽曲、やはり歌詞の世界観のクセがすごいんです。そもそも、タイトルから”晴れの日はプカプカプー”なんて、常人離れしたものになっていますからね。

 

ということで、さわやかなようで、どこか怪しい雰囲気が漂う歌詞…どういうことを歌っている曲なのか、ここからはそこら辺をメインに考えてみます。

 


■まず、この歌の現状が分かりそうな、2番Aメロの歌詞から。

 


変わっていく空の色と
消えていく大好きな匂い
だけどこんな日にはせめて
僕の周りで生き返って

 

何だか、悲しくて寂しいんですけど、好きな歌詞ではあります。

 


まず気になるのが、”僕の周りで生き返って”という部分です。”生き返って”は、”君”にかかっている言葉になるのですが、素直に読むと、”君”はもう亡くなってしまっており、故人である”君”に会いたいという気持ちから、”生き返って”という表現になっていると思われます。

 

もちろん、例えば「思い出が甦ってくる」みたいな言い方もあるので、”生き返って”という表現についても、別に故人を当てはめなくても、何らかの理由で別れた人と、せめて思い出や夢の中だけでも会わせてほしい、と願っている表現であると考えられなくもありません。

 

ただ、やっぱり全体的な流れを読むと、前者の、”君”は故人であるという物語の方が自然なのかな、と思います。何より、”変わっていく空の色と 消えていく大好きな匂い”というフレーズを受けての、”生き返って”の部分ですからね、思い出を振り返るだけにしては意味深すぎかなと思うのです。

 


それから、気になる表現としては、3行目の”こんな日にはせめて”の”こんな日”というフレーズです。タイトルには、”晴れの日”という言葉が使われているので、”こんな日”=”晴れの日”ということになるわけですが、もっと具体的にどういう日なんだろうって思うわけです。

 

しかも、”こんな日にはせめて 僕の周りで生き返って”という言葉があるので、何ていうか、故人である”君”が生き返って欲しいと願う特別な日である、という感じに捉えられます。

 


そういう風に考えていくと、”こんな日”としては、例えば、”お盆”が挙げられますかね。お盆というのは、日本の伝統的な風習であり、要するにこの日には、亡くなった人があの世(浄土)からこの世(現世)に帰ってくる日とされており、墓参りに行ったり、仏壇に線香を焚きお祈りをしたり、あとは精霊牛・精霊馬と言って、なす(牛に見立てる)ときゅうり(馬に見立てる)を飾ったりします。

 

まさに、この歌の歌詞でいうところの、”僕の周りで生き返って”と願う大義名分のある日ではあります。

 

あとは、ただ単に、故人の命日とかですかね。命日に、在りし日のその人のことを思い出して、悲しみに暮れながらも、命日という特別な今日一日だけでも、”君”に会いたいなという気持ちを吐露しているのかもしれません。

 


どういう日なのか、というヒントになりそうな言葉としては、同じく2番に、こんなフレーズがあります。

 


踏切の向こう側に
君の蜃気楼が映る

 

ここも、色々と想像できそうですが、一先ず”蜃気楼”という言葉から、夏の暑い日を思い浮かべます。タイトルには、”晴れの日”という言葉が含まれますので、夏のとても晴れた暑い日を当てはめることができます。

 


■そこからの流れとしては、出だしの歌詞、

 


自転車走らせてる
僕は空気に溶けていく
雫の落ちる音がする
終わらない下り坂で

 

この辺りは、”僕”の行動や様子を表わしている描写です。

 

”雫の落ちる音”という表現は、先程の”夏の暑い日”という解釈を思えば、”雫”とは滴り落ちる汗のしずくのことか、もしくは、”君が亡くなった”という解釈を思えば、悲しみから流している涙か、そういうものを表していると考えました。

 

”自転車”という言葉は、何となく、子どもの姿を思い浮かべさせられます。草野さんの少年時代の思い出なのか、それとも、架空の物語を書いているのか。

 

それから、ここの”終わらない下り坂”については、個人的にひとつ思い出すことがあって、それは「サイレントヒル」というホラーゲームにおいて、長い下り坂(多くは階段ですが)を下っていくことは、”精神世界へ潜っていく”ということを表わしている、ということが言われています。

 

曲に戻って考えれば、”終わらない下り坂”というのは、ただ単に自転車でとても長い坂道を下っている、と考えられるし(”終わらない”は、とても長いことを表わしている)、先程の「サイレントヒル」のように考えれば、自分の妄想や想像の世界に入り込んでいる描写とも取れます。

 

例えば、”君”という大切な人を亡くしたが、お盆や命日という特別な日を迎えて、その人との思い出の世界に浸っている、ということになります。

 


■その他、気になる表現としては、

 


今日は眠りの奥深く
逃げ込んだりしなくていい

 

逆に考えると、今日までは、眠りの奥に逃げ込む日々を過ごしていたと。それは、君を亡くした悲しみから、せめて夢や妄想の世界で会えるようにと願い、自分の精神の中に閉じこもっていた、と考えられます。

 

しかし、ここでも”今日”という、特定の日を表す言葉が出てきますが、これも先ほどと同様、お盆や命日といった特別な日を表しているため、夢や妄想ではなく、現実の世界で、君に会えるということを願っていると考えられます。

 



見えない翼で舞い上がる
それでも雲さえ掴めないかもね

 

不穏なのは、ここの部分です。ここを、”飛び下り自殺”などと考えると、またこの歌の世界観がガラリと変わってきます。要するに、”こんな日”や”今日”は、”僕”が死ぬことを決めた日であり、だからこそ”生き返って”や”逃げ込んだりしなくていい”という歌詞が散らばっていると考えられます。自分が死ぬんだから、故人である”君”に会えるから、もう自分の妄想に逃げ込まなくていい、とこういう流れですね。

 


■あとは、最大の謎…”プカプカプー”という言葉についてです。

 

曲の随所で、曲のタイトルにも使われています、”プカプカプー”という言葉が連呼されています。この言葉は、どこかの情報で得たことによると、”タバコを吸っている描写”であると草野さんが語ったそうです。”プカプカ煙草を吸う”とか言いますからね。

 

とすると、単純につなげれば、タバコをプカプカ吸いながら、今まで書いてきたようなことを思い出している、と考えられます。

 


ただ、僕は全然別のことを思ったんです。というところで、色々散らかったので、まとめてみます。

 

まず、”僕”は、自分にとって大切な人物であった”君”が亡くなって、悲しみに暮れていました。その悲しみから、夢や妄想に入り込んで、”君”との思い出の世界へと逃げ込んで、心を閉ざしてしまいます。

 

そんな時、”晴れの日”(”こんな日”や”今日”などと同意)が訪れるわけです。ここからの解釈は2つあって…

 


① 晴れの日=お盆や命日など、死者との距離が近い特別な日

 

この解釈に立てば、”僕の周りで生き返って”や”眠りの奥深く 逃げ込んだりしなくていい”という言葉は、そのまま素直に読んで、故人との思い出を振り返って懐かしみつつ、今日と言う日だけは、この世に戻ってきてください、と願っているという解釈になります。

 

そして、この場合の”プカプカプー”は、故人の魂が空に浮かんでいるという描写をイメージしています。暑い夏の日、とても晴れた空に浮かぶ雲…そういう光景を見上げて、この世に戻ってくる、あるいは、あの世へ帰っていく魂の姿を想像しているのかもしれません。

 


② 晴れの日=自分が命を絶って、個人の元へ行こうと決意した日

 

この解釈に立てば、先ほどの説明通りですが、”僕の周りで生き返って”や”眠りの奥深く 逃げ込んだりしなくていい”という言葉は、自分が命を絶ってあの世へ行くわけですから、”君”と会えるから、もう妄想の世界に逃げ込む必要はない、という意味になります。

 

そして、この場合の”プカプカプー”については、浮かんでいくのは、”僕”の魂になりますね。晴れた空にプカプカと、”君”のいるあの世へと浮かんでいく描写になると思います。

 


個人的には、①の解釈ですかね。矛盾するようですが、

 


見えない翼で舞い上がる
それでも雲さえ掴めないかもね

 

という部分で、結局は掴めなかったと歌っているわけですから、これは”あの世”へは届かなかった、という風に読み取ったからです。

 


■ところで、”僕”と”君”はどういう関係だったのでしょうか。

 

ここら辺は、特に僕個人的な想像が強いですが、”自転車”の下りで言ったように、個人的にこの歌の”僕”については、少年の姿を当てはめています。具体的には、小学生の低学年~中学年くらいでしょうか。要は、”死”というものが何なのか、そういうものを考え始めるお年頃という感じです。

 

おそらく、それくらいの時期に多くの人が、おじいちゃんやおばあちゃんなどが亡くなるという、最初の”死”に向きあう体験をすると思います。僕自身も、そうだったと記憶しています。

 

仮に、この歌の”僕”が草野さんであるとしたら、草野さんは、自分が子どもの頃に、おじいさんを短い期間で2人亡くされたという経験をしており、それが”死”を考える最初のきっかけになった、と書籍のインタビューにて語っておられました。ひょっとしたら、その辺りのことを思い返しながら歌った歌だったのかな、と思ったりしました。

 


そんな風に、【晴れの日はプカプカプー】は、誰しもが経験あるであろう、子どもの頃に、身近な人物を亡くした経験が思い出されるような、そういう不思議な歌であると、最終的な解釈として締めさせていただきます。

アルバム講義(特別編):Tribute Album『JUST LIKE HONEY ~『ハチミツ』20th Anniversary Tribute~』

JUST LIKE HONEY-「ハチミツ」20th Anniversary Tribute-

Tribute Album『JUST LIKE HONEY ~『ハチミツ』20th Anniversary Tribute~』
発売日:2015年12月23日

 


■収録曲
(オリジナル曲 / カバーアーティスト)

 

01. ハチミツ / 赤い公園

 

02. 涙がキラリ / 10-FEET

 

03. 歩き出せ、クローバー / NICO Touches the Walls

 

04. ルナルナ / 鬼龍院翔ゴールデンボンバー

 

05. 愛のことば / indigo la End

 

06. トンガリ'95 / LAMP IN TERREN

 

07. あじさい通り / クリープハイプ

 

08. ロビンソン / 9mm Parabellum Bullet

 

09. Y / GOOD ON THE REEL

 

10. グラスホッパー / ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

11. 君と暮らせたら / 初恋の嵐 feat.曽我部恵一

 

bonus track. 俺のすべて / SCOTT MURPHY

 

 

スピッツのトリビュートアルバムとしては、前作『一期一会 Sweets for my SPITZ』に続き、第2作目ということになります。

 

アルバムのタイトル通りですが、今作は、スピッツのオリジナルアルバムの中で一番売上枚数が多い(恐らく今後も越えられることはない)、6枚目のアルバム『ハチミツ』の発売20周年を記念して作られたトリビュートアルバムです。ちなみに、アルバム『ハチミツ』は、1995年9月20日に発売されました。

 

sp.universal-music.co.jp

 

前作『一期一会』の収録曲(カバーされている曲)については、シングル曲が多いものの、例えば【猫になりたい】や【田舎の生活】や【Y】とかっていう風に、カップリング曲もアルバム曲も、割と自由に収録されていました。

 

一方の今作については、先述の通り、アルバム『ハチミツ』の発売20周年の記念作品でもあるので、収録曲(カバー曲)は、曲順もそのまま、アルバム『ハチミツ』に入っている曲が収録されています。(+ボーナストラックとして、【俺のすべて】が入っています)

 


また、前作『一期一会』については、カバーアーティストとしては、ソロアーティストや女性アーティストなどが多かったのに対して、今作については、いわゆるロックバンドの比率が高くなっています。

 

それも、スピッツよりも随分若手のバンドが、カバーアーティストを務めています。このことについては、スピッツのディレクターであり、今作のプロデューサーでもある竹内修さんが語っておられます。

 

インタビュー記事はこちら↓

https://sp.universal-music.co.jp/compi/hachimitsu20/concept.html

 


当初はそんなに意図していたわけではなかったが、参加アーティストはバンド率が高くなった。そして男性比率も。どうしても「トリビュート」という側面を考えると、バンド編成、男性ヴォーカルのほうが企画意図と合致しやすいのだろう。これも、ソロ・アーティスト、女性ヴォーカルが半数くらいを占めた『一期一会』との大きな違い。

 

要するに、ロックバンドとして活動しているスピッツの楽曲をカバーするのに、同じ形態のロックバンドの方が自然だろうということでしょうか。

 

また、若手がたくさん参加していることに対しても、例えば、indigo la Endは、バンド名を”インディゴ地平線”から取ったものだということが知られているし、また、Nico Touches the Wallsのボーカルの光村さんも、スピッツに影響を受けて音楽活動を始めた、ということが知られていたりするので、”憧れのスピッツ”という感覚は前作より強くなっているのだと推測されます。アルバムの”トリビュート感”は、より強まったのではないでしょうか。

 


■ということで、このアルバムの感想については、前に書いたことがあるのですが、ゆっくり振り返る意味で、前の記事をコピペしつつ、書き直してみます。

 

 

01. ハチミツ / 赤い公園

もうずいぶん昔のことになりますが、確か、テレビ番組「LOVE LOVE あいしてる」だったと記憶しています。Kinki Kidsの番組で、毎回ゲストを招いて、色々とトークなどを繰り広げる番組でした。その番組で、Every Little Thing持田香織さんがゲストで呼ばれた際に、スピッツの【ハチミツ】をカバーしていて歌われていました。

 

そん時に、あっいいなって思った記憶があって、絶対に【ハチミツ】は、女性にカバーしてほしいと思っていました。歌詞がもかわいいですしね。

 

赤い公園はあまり聴いたことないんですけど、女性バンドということで、女性にカバーして欲しいという願いが叶ってよかったと思っています。少しサイケデリックで激しい演奏をバックに、かわいらしいボーカルが引き立っていて、そのギャップが楽しめるカバーになっています。原曲の【ハチミツ】は、ただただかわいらしい曲なのですが、赤い公園がカバーすると、そのかわいさの中に、どこかピリッと狂気を感じるようです。

 

ハチミツ

ハチミツ

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02. 涙がキラリ☆ / 10-FEET

広島にかつてあった”SETSTOCK”という夏フェスに、僕はある時期毎年行っていたのですが、10-FEETはその夏フェスの常連でした。もう毎年のように出ていたので、最初はあんまり知らなったんですけど、知らない曲でも飛び跳ねて盛り上がって、会場もとても盛り上がっていたので、段々愛着も湧いてきました。10-FEETを見るのが毎年の恒例のようになって、毎年楽しんでいました。

 

そういう思い入れが割と強いバンドだったので、10-FEETのトリビュートはとても楽しみにしていました。10-FEETスピッツをカバーすることは、とても意外だったのですが、原曲とは決してかけ離れることなく、されど10-FEETらしい、パンクロックの力強さと優しさを兼ね備えたトリビュートになりましたよね。

 

そういえば、スピッツの3050LIVEにて、【涙がキラリ☆】をスピッツがやったのですが、その時に僕個人的には、この10-FEETバージョンの【涙がキラリ☆】を思い出したんです。いかんせん、スピッツのライヴに行ったのが初めてのことだったので、さすがライヴだけあって、どの曲も普段聴いている時よりも、ダイナミックでロックな感じがしたのです。そういうわけで、【涙がキラリ☆】も、10-FEETバージョンっぽさを感じたのだと思います。何ていうか、逆カバー的な感じですかね?

 

涙がキラリ☆

涙がキラリ☆

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03. 歩き出せ、クローバー / NICO Touches the Walls 

ニコのボーカルの光村龍哉さんは、スピッツに憧れて、何と小学3年生の頃から曲をつくり始めたそうです(wiki情報より)。そういうわけで、スピッツのトリビュートアルバムに参加できることは、とても嬉しかったでしょうね。また逆に、スピッツ自身も、リスナーも(少なくとも僕は)、そういうスピッツに憧れを持つ人にカバーしてもらうことは、きっと嬉しかったのではないでしょうか。

 

ニコも、個人的にはとても好きなアーティストだったので、カバーはすごく楽しみにしていました。夏フェス(また先述のSETSTOCKにて)でですが、生ニコを一度だけ見たことがあります。かなり良かったです!

 

カバー曲の感想ですが、原曲はかなりゆったりした感じの曲なんですが、カバーはそれよりもテンポが速くなっていて、アグレッシブになっています。アコギの演奏が目立って聴こえてくるのが印象的で、アコタッチテイストを感じます。やっぱり、光村さんは声が良いですよね、特に好きな声のボーカルの一人です。

 

歩き出せ、クローバー

歩き出せ、クローバー

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04. ルナルナ / 鬼龍院翔ゴールデンボンバー

原曲の【ルナルナ】っていうのは、かわいさとかっこよさが混在した曲ですよね。その曲には、この人の声はクセが強すぎて、似合わなかったんじゃないでしょうか。女性ボーカルにでも歌ってもらった方が、もっとかわいかったんじゃないかなぁって思うんですけどね。…まぁつまり、僕はこの人(の声)が、好きではないということです。

 

バックの演奏はとても素敵でしたね。クレジットを見ると、かなり豪勢な演奏になっているようです、ホーンや鍵盤の音なども派手でかっこいいです。

 

ルナルナ

ルナルナ

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05. 愛のことば / indigo la End

先程も紹介しましたが、indigo la Endというバンド名の由来は、スピッツのアルバムタイトルであり、その表題曲でもある”インディゴ地平線”が由来になっているそうです。indigo la End=インディゴラエンド=インディゴの終わり・果て、という感じのつながりになるのでしょうか。

 

何ていうか、indigo la Endなどで活躍されている川谷絵音さん(の音楽や声)も、そんなに好きではないのですが、このカバーに関しては、サビの感じがすごい好きです。こういうサビみたいな雰囲気って、indigo la Endに近いんじゃないかなって思うんですけど、どうですかね?【心雨】とか、こういう感じの曲じゃなかったですっけ?

 

だから、Aメロ・Bメロなどの感じは、ちょっと残念かなって思っちゃったんですよね、まぁ好みの問題ですけど。サビの雰囲気がかなり好みだったので、それで全編アレンジしてくれたら、もっと好きなカバーになってたかもしれません。

 

愛のことば

愛のことば

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06. トンガリ'95 / LAMP IN TERREN

バンド名は、「ランプ・イン・テレン」と読むそうです。名前は聴いたことあるのですが、楽曲はあんまり聴いたことはありませんでした。

 

ROCKIN'ON JAPANが主催する、アマチュアのロックバンドの大会「RO69JACK」にて、2013年にグランプリを獲得して、そこから本格的に活動が広がっていったようです。

 

原曲の【トンガリ95'】は、ノリノリのギターロックの曲で、スピッツ屈指のライヴ盛り上がり曲ではあるのですが、どこかその中にかわいらしさを内包しています。一方のテレンの【トンガリ95'】は、ワイルドさが何割も増していると言いますか、曲名通りとがってますよね。またボーカルの声がかっこいい!

 

トンガリ'95

トンガリ'95

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07. あじさい通り / クリープハイプ

1番のAメロのアレンジが、ちょっと変わっていて面白いですね。2番からは、また普通に戻るんですけど、これは曲に似合うアレンジだと思っています。

 

尾崎世界観さんの声も、クセが強くてそんなに得意ではないのですが、【あじさい通り】という曲に、このアレンジとボーカルは似合っていると思います。

 

あじさい通り

あじさい通り

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08. ロビンソン / 9mm Parabellum Bullet

何ていうか、良い意味でも悪い意味でも、原曲崩壊ですよね。9mmらしいと言えば9mmらしいってことになるんですかね、こういう爆音のアレンジは。僕はあまり好みではないですけど。それでも、スピッツで一番のヒット曲で、ここまで挑戦的に崩壊させるのは、かなり勇気がいることだったと思うのですが、どうなんですかね。

 

ちなみに、9mmはストレイテナーのトリビュートアルバムにも参加しており、そこでは【Melodic Storm】という、結構テナーの中でも人気の高い楽曲をカバーしているのですが、そのインタビューにて、ボーカルの菅原さんはこんな風に語っていました。

 


Melodic Stormは、他のどれよりも「みんなの曲」だというイメージがあったから、それを壊したくなかった。9mmの可能な限り真っ直ぐにカバーさせていただきました。

 

…おい、【ロビンソン】はどうしたんだよ!?

 

ロビンソン

ロビンソン

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09. Y / GOOD ON THE REEL

この曲は、前作『一期一会』でも、GOING UNDER GROUNDがカバーしていましたが、その時のは、かなり陽気なアレンジがされていました。僕は、GOINGが大好きなので、GOINGっぽいのは嬉しかったのですが、【Y】が纏っている、壮大な感じだったり、どこか寂しい雰囲気だったりっていうのは失われていました。

 

そこへ来て、このGOOD ON THE REELのアレンジは、とても良いですね!今回は、ちゃんと本家の【Y】の曲に漂う切なさを残しつつ、でもそんなにバラードバラードしてない感じが好きです。ボーカルの声にちょっと癖があって、それがさらに曲の切なさを強調するのに、一役買っています。

 

あんまり聴いたことがなかったので、ちょっと聴いてみたのですが、良いバンドですね! 

 

Y

Y

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10. グラスホッパー / ASIAN KUNG-FU GENERATION

原曲にないシンセサイザーの音が目立って聴こえてきますが、このアルバムのカバー曲の中では、一番原曲に忠実なカバーかなって感じます。ゴッチの声も曲に合ってると思うんですけど、サビで喜多さんにボーカルチェンジしているのが印象的です。

 

そういえば、アジカンのラジオ番組にスピッツが出演した時(逆かな?スピッツのラジオ番組にアジカンが出た?)の音源を、どこかで聴いた記憶があるのですが、そこで草野さんと喜多さんのしゃべる声がとてもよく似ていて、しばしばシンクロしているようなことが起きていました。

 

この曲では、実際に喜多さんが草野さんのボーカルを歌っているのですが、何となく高音が似ているような感じがしますよね。

  

グラスホッパー

グラスホッパー

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11. 君と暮らせたら / 初恋の嵐 feat. 曽我部恵一

アルバム『おるたな』の記事でも少し紹介させていただいたのですが、初恋の嵐というバンドは、メジャーデビューを間近に控え、ボーカルの西山達郎という方が亡くなってしまうという、悲しい道を辿ったバンドです。

 

それでも、活動休止から9年が経ち、2011年に活動を再開させたそうなのですが、この【君と暮らせたら】のカバーは、その活動再開後の初めての音源なのだそうです。この楽曲では、ソロで活動をしておられる曽我部恵一という方がボーカルを務めています。

 

2012年に発表したアルバム『おるたな』において、初恋の嵐の【初恋に捧ぐ】という曲を、先にスピッツがカバーしています。今回の【君と暮らせたら】のカバーも、そういう経緯(お返し的な?)があって実現したものなんでしょうか。

 

さて、カバー曲の感想ですが…本当に素晴らしいんですよ。LOST IN TIMEカバーの【田舎の生活】と同様、個人的には本家より好みのカバーです。琴線に触れるとは、まさにこのことでしょうか。

 

【君と暮らせたら】は、個人的な解釈としては(と言うより、割と公式か?)”夢落ち”を当てはめました。歌詞を読むと、結構寂しい感じがするのですが、メロディーとしては結構明るめになっているんですよね。

 

そこへきて、この初恋の嵐バージョンの【君と暮らせたら】については、その寂しさをそのまま表現しているような感じのアレンジになっています。元々の”夢落ち”という解釈を当てはめるならば、実際にはこの歌の中の2人は一緒に居ないはずなので、何ていうか、街に独りきり取り残されて、2人の思い出がつまった街を、独りで歩いて回っているような、そういう光景が浮かんできて、胸がぎゅっとなるんです。

 

 

 

bonus track. 俺のすべて / Scott Murphy

【俺のすべて】は、シングル『ロビンソン』のカップリング曲であり、スペシャルアルバム『花鳥風月』にも収録されていますが、スピッツのアルバム『ハチミツ』には入っていない楽曲です。おそらく、この曲がスピッツのマスト曲・人気曲の一つであることなどを考慮されてのことでしょうか、今作にはbonus trackとして、Scott Murphyにカバーされたものが収録されています

 

Scott Murphyといえば、ALLiSTERというバンドのボーカルで、現在は細美武士さんんの属するバンドの一つである、MONOEYESにも所属しています。

 

ALLiSTERについては、その昔、スピッツの【チェリー】をカバーしたことがありました。それを初めて聴いた時は、良い意味でも悪い意味でも衝撃を受けたことを覚えています。【チェリー】のパンクロックバージョンという珍しいものが聴けます。マーフィーは、本当に日本がお好きなんでしょうね。

 

俺のすべて

俺のすべて

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